闇の神（God of Darkness）はレムナントを作り上げた兄弟神の一人で、光の神の弟。かつては闇の大地に住んでいた。
"Of Solitude and Self"にて、兄弟神はエヴァー・アフターでグレート・ツリーから生まれたことが明らかになった。彼らはエヴァー・アフターの環境を整え、アフテランと彼らが住むためのエーカーを作り出していたが、やがてより大きな世界を作るために別の領域へと旅立った。
外見・衣装[]
闇の神は人型では細身の男性で、頭に額から後頭部へ向かう一対の捻じれた角を持っている。その姿は、周囲の光を吸い込むような深い紫色をしている。兄である光の神と同様、顔に特徴はないが、人型の輪郭が見られる。
竜形態では、西洋の伝統的な4本足の大きな竜の姿をしており、2枚の翼は膜が傷んだように複数の切れ込みや穴があり、頭部に螺旋状の角を持っている。全身が痩せこけ胸部に肋骨のようなものがあり、眼窩のない頭蓋骨のような顔をしている。首から尾の先にかけて、背中側には棘突起ようなものがいくつも生えている。
人物[]
闇の神は自尊心が高く、器が小さく、気性の荒い存在である。セイラムが兄弟神に反抗する軍隊を率いたとき、闇の神は迷うことなく大虐殺を行った。自分の創造物に愛着は持っているが、思い上がりをたしなめることに躊躇しないことを示した。
自らの領域内で自分の権限を光の神に侵害されたと誤解して闇の神が報復した時のように、自尊心は高いものの謝罪を厭うわけではない。このような謙虚な姿勢は、彼の理性的で外交的な側面を示している。
兄とは対照的に、闇の神はより劇的な演出を好んでいるようである。このことは、二人がオズマを殺すときに、兄が手を振ってオズマを分解させただけなのに対し、闇の神は巨大なドラゴンのブレスを使ったことからもわかる。同様に、レムナントを去る際、光の神は瞬間移動して去ったのに対し、闇の神はエネルギーの塊になって飛び去り、その過程で、彼がかつて創造した月を一部破壊していった。
闇の神はどこか飽き飽きとしていて、冷笑的であり、オズマを生き返らせるために彼の領域にやってきたセイラムの懇願に浴した。彼は兄の願いに反して、快く英雄を二度も蘇らせた。しかしセイラムの姑息な手段に気づくと英雄を殺した。闇の神は、他者に指図されることが恥辱だと感じていることがわかる。
それに加えて、闇の神は、人類が常に兄に好意的であることやそんな兄自身にいささか嫉妬しているようで、自分も同じような崇拝や信仰を受けたいとほのめかしている。この単純な兄弟間の対立が、セイラムのためにオズマを復活させることにすぐに同意した理由であろう。
彼は何気なく破壊的な行動をとる。兄と一緒にレムナントを去った折りには自ら創造した月を砕き、その残骸が無数の隕石となってレムナントに降り注いで大規模な被害をもたらした。
暗い性格で兄への嫉妬心もあったが、同時に兄に対して誠実でもあり、セイラムの反抗の際には光の神を守るために兄の側についた。
また、自ら創造したグリムの創造物に対しては、思いやりがあり、保護することもあるとされている。兄と和解した闇の神は、他の場所ではなく、自分の創造物のいる闇の大地に住んでいる。セイラムが彼の社に到着したとき、沼のほとりでベオウルフの群れが平和的に暮らしているのが見えた。このグリムへの思いやりの心は、彼の最初の創造物であるジャバウォーカーに由来するものだと考えられる。彼の兄は、ジャバウォーカーがバランスを崩すものだとして何度も消し去ったが、その度に闇の神はジャバウォーカーを復活させている。
"Of Solitude and Self"では、光の神と弟の不和の発端が明かされた。ジャバウォーカーを作り上げたあと、彼はこの存在がエヴァー・アフターの秩序を乱すと考え、破壊するべきだと考えた。しかし、闇の神は彼ら自身の過ちの責任を創造物が負うべきではないと主張した。彼らは妥協点を見つけられずに互いを不快に思うようになり、この諍いは彼らが人間を作り出すまで続いたようである。
おとぎ話に残る『The Two Brothers』では、闇の神の性格がより詳しく語られている。おとぎ話の中では闇の神と光の神はともに、自分こそが本来の神であって片割れは複製された神であると考えていた。頭を突き合わせながらも、しかし最終的にはお互いに一緒にいるときだけ完全な状態であると感じていた。闇の神は弟の役割を担い、よく兄である光の神を真似していた。人類を共感できる創造物と見なしていた兄とは異なり、闇の神は人類を自分と兄の単なる遊び道具と見なし、娯楽以外のことはあまり考えていなかった。しかし、人類の限界に興味を持ち、その機知に感心し、兄と約束した後でも秘密裏に作ったグリムという形で人間に試練を与え、人類への好意を証明していた。
神話[]
The Animal God[]
おとぎ話『The Shallow Sea』や『The Judgment of Faunus』におけるレムナントの創造神話で、変幻自在の姿を持つファウナスの神として動物の神が登場する。この神の存在が真実かどうかは疑問が残るが、『The Shallow Sea』では正体を現すときに雄羊の角を持ち、『The Judgment of Faunus』では枝分かれした角を持っていると描写されており、変装した兄弟神である可能性が示されている。
The Two Brothers[]
おとぎ話『The Two Brothers』では、兄弟神について詳しく書かれている。太古の昔、1頭のドラゴンが自分と同じような存在を求めて宇宙を旅していた。孤独のあまり、ドラゴンは宇宙と永遠を共有できるような自らに等しい仲間を作ることにした。しかし全能のドラゴンでさえ無から有は作れず、自身と力を半分に分けなければならなかった。結果としてドラゴンは、光と影という2つの対称的な形に分かれた。一方は自身が本来の神であり、もう一方は複製された神だと互いに思っていた。性格は違っていたが、2人は一緒にいて初めて完成する存在であると感じていた。
このおとぎ話は、その後は歴史と同様に話が展開される。注目すべき歴史との差異は、兄弟神がレムナントを去った要因であるセイラムの存在を排除した点と、兄弟神がレムナントを見捨てたのではなく新たな大陸をつくったことを事実にした点である。
"Of Solitude and Self"で語られた事実では兄弟神は生まれたときから二人であったため、このおとぎ話は真実ではないことが明らかになった。
技能と力量[]
レムナントを去る際に月を砕いた闇の神
死の世界を超越する能力を有する存在として、闇の神はまだ真なる力を見せていない。破壊を象徴する存在として、その力に自然と彼は調和している。
闇の神は人型と竜形態に変身する能力を持ち、感覚のある生命を生み出す力や常世から魂を呼び戻す力、瞬間移動、魔法エネルギーの巨大な衝撃波を放つ力を持っている。彼はこの力を正確に使いこなし、他の生物には全く手をかけず単一種の生物だけを世界規模で絶滅させることができる。また、物質やエネルギーを自在に操ることができ、オズマの魂と同じ肉体を作ることもできる。また、人類に魔法を授けた存在でもある。
竜の姿の闇の神には飛行能力や巨大な体力、そして体から暗黒のエネルギーのブレスを吹き出す力が見られた。その肉体的な力は、何の苦労もなく月を砕くことができるほどの大きさである。
グレート・ツリーから生まれ出たあと、闇の神は兄と共に様々なエーカーとアフテランたちを作り、彼らに役割を与えていった。やがて力を蓄えた兄弟神はもはやエヴァー・アフターに留まらない存在となり、別の領域へと旅立っていった。
トリビア[]
モチーフ[]
- 光の神と闇の神の兄弟は、古典的なおとぎ話を作ったとされるグリム兄弟がモチーフになっている。
その他[]
- "Live From Remnant"では、兄弟神はレムナントを離れたあと、ブラックジャックと売春婦の惑星を作ったというジョークが語られた。これはフューチュラマのパロディである。