光の神(God of Light)はレムナントを作り上げた兄弟神の一人で、闇の神の兄。かつては光の領界に住んでいた。
"Of Solitude and Self"にて、兄弟神はエヴァー・アフターでグレート・ツリーから生まれたことが明らかになった。彼らはエヴァー・アフターの環境を整え、アフテランと彼らが住むためのエーカーを作り出していたが、やがてより大きな世界を作るために別の領域へと旅立った。
外見・衣装[]
光の神は人型の姿では背の高い裸の男性で、頭に枝角の冠をかぶっている。肌の色は柔らかな黄金色で、体格は筋肉質、顔には特徴がない。
龍の形態では、肌の色は変わらないが、角はより白く、長く、流線型になり、声もかなり深くなる。胴体は長く、蛇のような形をしており、東洋の伝統的な龍のようである。体全体を覆う金色の長いたてがみと、尻尾の先には羽毛が生えており、顔には2本の羽毛のようなひげが生えている。龍の姿の彼の目は、銀色に輝いているように見える。
"Of Solitude and Self"で描かれたように、若い頃の光の神は金色の鹿の姿をしていた。成長して身体のサイズが大きくなるにつれて、龍に近い見た目となっていった。
人物[]
光の神は賢く、忍耐強く、弟である闇の神と一緒に人類を創造したときに確立した平衡を維持することに徹底的に心を砕いている。しかし、彼の前に現れた者に対して優しさや共感を示す一方で、弟の手によって復活したオズマを殺したり、二人で決めたルールを破った弟に怒りを示したりと、何よりも秩序を守るという決意を頑なに抱いている。
彼は外交的であり、争いに直面した時でも暴力に訴えるより、まずは話し合いで解決することを好む。しかし彼にも限界があり、人類が神々に反乱を起こしたときに、弟が人類を絶滅させることを阻止できなかった。その過程を見ないように目をそらしていたことから、弟の大変動をもたらす攻撃は彼にとっても非常に不本意だったことがわかる。 ただし、生と死の平衡を無視し、傲慢な態度をとったセイラムに不死の呪いをかけたように、追い詰められると自身が「正義」だと思う独善的なことを行使してしまうところがある。
光の神は生命の有限性を尊重し、オズマの蘇生を拒み、セイラムに彼を休ませるように懇願する。また、光の神はレムナントを愛し、「美しい実験」と考え、オズマに対しては人類に人間性を取り戻させる使命を伴った転生の機会を与え、神が自らの創造物をまだ完全に見捨てているわけではないことを示した。
光の神は、人型をとっている時は、自らの創造物と同じようにボディランゲージを使って会話をする傾向がある。たとえば、英雄との会話では、生まれ変わることを彼に提案する際に手振りをしたり、眉をひそめたりした。
しかし、光の神の本質は、平衡と秩序を維持であり、そのためならば忍耐や「正義」といったあらゆる律を捨てることを厭わず、どんなに残酷なことをしても構わないと考えている。例えば、オズマを殺して生死の「平衡」を回復したにもかかわらず悪意で以ってさらにセイラムに不死の呪いをかけるなど、極端なことをすることもある。また、自らの創造物を大切にしているにもかかわらず、自分の期待に応えられなければ、二度目かつ最後の人類を絶滅させることも厭わない。
おとぎ話に残る『The Two Brothers』では、光の神の性格がより詳しく語られている。 おとぎ話の中では光の神と闇の神はともに、自分こそが本来の神であって片割れは複製された神であると考えていた。頭を突き合わせながらも、しかし最終的にはお互いに一緒にいるときだけ完全な状態であると感じていた。光の神は兄の役割を担い、よく弟である闇の神に真似されていた。人類を遊び道具と見なしていた弟とは異なり、光の神は人類を共感できる創造物と見なしていた。そのため光の神は人類を過保護にしており、弟が人類を悩ませていたときには祝福するほどであった。弟が陰でグリムを増やしていることを知った光の神は、グリムの創造物との戦いに役立つ秘密の力を人類に授けた。
"Of Solitude and Self"では、光の神と弟の不和の発端が明かされた。ジャバウォーカーを作り上げたあと、彼はこの存在がエヴァー・アフターの秩序を乱すと考え、破壊するべきだと考えた。しかし、闇の神は彼ら自身の過ちの責任を創造物が負うべきではないと主張した。彼らは妥協点を見つけられずに互いを不快に思うようになり、この諍いは彼らが人間を作り出すまで続いたようである。
神話[]
The Animal God[]
おとぎ話『The Shallow Sea』や『The Judgment of Faunus』におけるレムナントの創造神話で、変幻自在の姿を持つファウナスの神として動物の神が登場する。この神の存在が真実かどうかは疑問が残るが、『The Shallow Sea』では正体を現すときに雄羊の角を持ち、『The Judgment of Faunus』では枝分かれした角を持っていると描写されており、変装した兄弟神である可能性が示されている。
The Two Brothers[]
おとぎ話『The Two Brothers』では、兄弟神について詳しく書かれている。太古の昔、1頭のドラゴンが自分と同じような存在を求めて宇宙を旅していた。孤独のあまり、ドラゴンは宇宙と永遠を共有できるような自らに等しい仲間を作ることにした。しかし全能のドラゴンでさえ無から有は作れず、自身と力を半分に分けなければならなかった。結果としてドラゴンは、光と影という2つの対称的な形に分かれた。一方は自身が本来の神であり、もう一方は複製された神だと互いに思っていた。性格は違っていたが、2人は一緒にいて初めて完成する存在であると感じていた。
このおとぎ話は、その後は歴史と同様に話が展開される。注目すべき歴史との差異は、兄弟神がレムナントを去った要因であるセイラムの存在を排除した点と、兄弟神がレムナントを見捨てたのではなく新たな大陸をつくったことを事実にした点である。
"Of Solitude and Self"で語られた事実では兄弟神は生まれたときから二人であったため、このおとぎ話は真実ではないことが明らかになった。
技能と力量[]
複数の存在次元を超越する能力を有する存在として、光の神はまだ真なる力を見せていない。創造を象徴する存在として、その力に自然と彼は調和している。
オズマを常世から復活させることを拒否したのが能力よりも原理の問題だったことから、創造や魂の復活は、兄弟で共通した能力だと思われる。それ以外にも瞬間移動や変身、ドラゴンの姿での飛行、強大な体力、エネルギーと物質の操作、創造の力などの能力も弟と共通である。
光の神は、死後の世界に入って魂の性質を作り変えることができる。例えば、オズマの魂は人類を救済するという任務を負わせるために際限なく転生するものに変質させ、セイラムの魂はたとえ体が完全に破壊されても死ぬことができないように不死の呪いがかけられた。
光の神は熟練した魔法使いでもあり、4種のレリックを作った。レリックとは、兄弟神によって授けられた人間性を構成する4つの資質を具現化したものである。彼の無生物の創造物は装飾華美な傾向にあるが、これまでのところ知識のレリックと創造のレリックに宿る精霊であるジンやアンブロシウスのように、それ自体が生命の輝きを放っているようにも見える。
グレート・ツリーから生まれ出たあと、彼は弟と共に様々なエーカーとアフテランたちを作り、彼らに役割を与えていった。やがて力を蓄えた兄弟神はもはやエヴァー・アフターに留まらない存在となり、別の領域へと旅立っていった。
光の神は、闇の神のグリムを銀の眼が発する光とよく似た白い光で消し去ったことから、彼は銀の眼の起源と信じられている。
トリビア[]
モチーフ[]
- 光の神と闇の神の兄弟は、古典的なおとぎ話を作ったとされるグリム兄弟がモチーフになっている。
その他[]
- "Live From Remnant"では、兄弟神はレムナントを離れたあと、ブラックジャックと売春婦の惑星を作ったというジョークが語られた。これはフューチュラマのパロディである。