兄弟神(The Gods)はレムナントを創った2つの巨大な力を持つ存在である。彼らは二人兄弟で、光の神が兄であり、闇の神が弟である。光の神は命の力を創造し、闇の神はグリムの創造物を含む死の力を創造した。生と死という相反する性質であるために兄弟は反目しあっていたが、やがて和解し、その記念として人類を共に創造した。
歴史[]
兄弟神はレムナントを実験場とみなし、そこに住む人類に試練や祝福を与えながら、その発展を見守っていた。
ある時、愛するオズマを生き返らせるためにセイラムが兄弟神に立ち向かった。そしてその願いを拒否されると彼女は世界各地の王国を旅した。行く先々でセイラムは神々から不老不死を盗んだと主張し、王や女王に神々を滅ぼして、奪った創造主の力で死のない時代を作り上げようと口車に乗せた。セイラムは実際のところ、単に自分の呪いを取り除きたい、少なくとも自分のしたことで神々に苦しんでもらいたいと思っていただけのようである。
セイラムは貪欲な人類の軍隊を率いて光の領界に行き、そこで兄弟神と対峙した。軍隊は彼らに魔法の弾幕を張った。しかし闇の神はそれを利用して、セイラムを除くレムナント上の人類を絶滅させた。セイラムが意識を取り戻した後、光の神はレムナントを「かつては美しい実験だった残滓に過ぎない」と言って失望して消え去り、闇の神は月を砕いて飛び去った。
しかし光の神は、オズマの魂を輪廻転生によって蘇らせ、いつか再興する人類を融和させる使命を与えた。光の神は、兄弟を呼び戻すための手段として4つのレリックも作り出した。もし人類が自らを取り戻したならば、神々は彼らを再び完全なものとし、一緒に生き、人類は完全な存在になれるが、そうでなければ神々は人類を世界とともに永久に消し去ってしまうと光の神は語った。そして魔法も神々の導きもない中で人間とそしてファウナスが生まれた。
歴史上、兄弟神は多くの名前や称号で呼ばれてきた。そのため、彼らの本当の名前は知られていない[1]。
神話[]
The Animal God[]
おとぎ話『The Shallow Sea』や『The Judgment of Faunus』におけるレムナントの創造神話で、変幻自在の姿を持つファウナスの神として動物の神が登場する。この神の存在が真実かどうかは疑問が残るが、『The Shallow Sea』では正体を現すときに雄羊の角を持ち、『The Judgment of Faunus』では枝分かれした角を持っていると描写されており、変装した兄弟神である可能性が示されている。
The Two Brothers[]
おとぎ話『The Two Brothers』では、兄弟神について詳しく書かれている。太古の昔、1頭のドラゴンが自分と同じような存在を求めて宇宙を旅していた。孤独のあまり、ドラゴンは宇宙と永遠を共有できるような自らに等しい仲間を作ることにした。しかし全能のドラゴンでさえ無から有は作れず、自身と魔法を半分に分けなければならなかった。結果としてドラゴンは、光と影という2つの対称的な形に分かれた。一方は自身が本来の神であり、もう一方は複製された神だと互いに思っていた。性格は違っていたが、2人は一緒にいて初めて完成する存在であると感じていた。
このおとぎ話は、その後は歴史と同様に話が展開される。注目すべき歴史との差異は、兄弟神がレムナントを去った要因であるセイラムの存在を排除した点と、兄弟神がレムナントを見捨てたのではなく新たな大陸をつくったことを事実にした点である。
外見・衣装[]
神々は特徴のない顔を持つ半透明の人型の形態を持ち、光の神は龍の姿に、闇の神は竜の姿に変身できる。
光の神は背が高くて筋肉質で、黄金に輝き、頭には鹿の角が生えている。彼の龍の姿は神々しい輝きを持つ大きな黄金の東洋的な龍で、この時の瞳は銀色をしている。
闇の神は痩せていて、紫で細身、頭には雄羊の角が生えている。彼の竜の姿は骸骨のような特徴を持つ大きな紫色の西洋的な竜である。
人物[]
兄弟神は平衡と秩序の維持を信条とする賢く強力な存在であるが、互いに望むものを作ったり壊したりすることで争っていた。やがて和解し、争う代わりに人類を協力して創造した。しかし彼らは、人類が信じているほど賢くも知性的でもなかった。セイラムは、彼らが互いに敵対するように操ることができることに気づいた。また彼らは、オズマを失った悲しみに打ちひしがれた、執念深いセイラムに不死の呪いをかけたことによって引き起こされた混乱と愚挙を理解していないようだった。
光の神は謙虚で物腰が柔らかいが、厳格で神経質な人物であることが示されている。彼は平衡を維持することを信条としており、セイラムに同情しつつも平衡を崩すことだけは譲らなかった。また弟である闇の神と争うことは望まず、平和的に物事を解決したいと考える消極的な性格であることも示されている。
闇の神は破壊と闇を楽しむ、破壊的で唾棄すべき存在であるが、和解後は兄のように崇拝され、称賛されることを本当に望んでいた。セイラムの言葉に踊らされたように、彼は少し騙されやすいところがある。単に誰かが自分を崇拝していると信じ込み、その後すぐに誤りを正したものの、兄との協力を破棄してしまった。
セイラムが人類を先導して神々に反乱を起こさせ、人類の手にレムナントが落ちるのを見て、2人は失望したようである。
光の神は兄弟間でこれ以上争いが起きないことを望んでおり、また反目しがちな闇の神もセイラムの反乱の際にはすぐに兄のもとに駆けつけており、2人の兄弟はその性質の違いにもかかわらず、互いに非常に誠実である。
技能と力量[]
兄弟神は巨大な力と知識を持った全知全能の存在である。また2人は独自に創造したものと同様に、レムナントと人類を協力して創造した。2人は基本的に無敵であり、誤りから免れないことや特定の人に操られたということ以外に欠点はなく、事実上弱点はない。
光の神は、生命や動物、元素を創造することができる巨大な創造力と光の力を持っている。同時に強力な光の波を使って他人を焼き尽くすこともできる。弟が復活させたオズマを消してしまったように他人を消すこともでき、またセイラムにしたように不死を与えたり、オズマにしたように死者を復活させ、死ぬたびに魂を転生させたりすることもできる。さらに人間性を構成する4つの資質をそれぞれに具現化した4つのレリックを人類のために創造した。それらのレリックはそれだけで絶大な力を持っている。彼は東洋的な龍の姿に変身することができる。
闇の神は巨大な破壊力と闇に基づく力を持ち、兄の創造物を破壊したり消したりして、悪夢のような姿に歪ませた。彼はグリムと、グリムが生み出す澱みを創造した神であり、グリムを指揮、制御することができる。人類を絶滅させたり、月の一部を破壊したりように、闇の力を使って、強力な爆発や衝撃波を起こして当たったものを破壊したり、兄の力を遮ったりすることができる。また兄同様、オズマと同じようにしたように死者を復活させることもできる。彼は西洋的な竜の姿に変身することができる。
どちらの神も物質やエネルギーを操ることができ、死後の世界を含む複数の存在領域の実体と対話することができ、それらの能力を非常に精密に使うことができる。闇の神は、世界規模で他の生命体に害を与えることなく、人類だけを全滅させることができた。
トリビア[]
- 『The Brother Gods』のおとぎ話は、Miles LunaがRWBYの企画で初めて大きく貢献したものである[2]。
- ドラゴンの姿の時、光の神は現実の東洋的なドラゴンに、闇の神は現実の西洋的なドラゴンに、それぞれ似ている。
- 東洋の龍は賢く慈悲深いとされ、西洋の竜は悪意に満ちた冷酷なものとして描かれていることが多い。
- 兄弟神の色である金や紫は、多くの文化で王族や神格の象徴とされている。
- 金は、その輝くような光沢と他の多くの貴金属のように酸化したり腐食したりすることがないため、伝統的に完璧な金属と考えられてきた。
- フェニキア人が作った紫の染料は、その鮮やかな色合いを出すのが難しいため、同じ重さの金と等価値であると考えられ、地位、富、権力、権威の象徴となった。
- 兄弟神は、作家であり、古典的な寓話を作ったとよく言われる『グリム兄弟』を暗示している。彼らは“The Lost Fable”の中でジンによって明確に「グリム兄弟(Brothers Grimm)」と呼ばれている。