ローマン・トーチウィックはRWBYにおける補佐的な立場の悪役。メロディック・カジェルと呼ばれる杖を武器として使っている。
ローマンは"Ruby Rose"にて正式に登場するが、それ以前の"Yellow" Trailerでもごくわずかにカメオ出演している。 彼はフロム・ダスト・ティル・ドーンからダストを強奪する計画を立てていたが、ルビー・ローズによって完全に阻止された。
外見・衣装[]
ローマンは目尻の上がった深緑の瞳で、明るいオレンジの長髪が右目を覆い隠している。また、左目には黒いアイラインが見受けられる。
ミストラルでの衣装(RWBY: Roman Holiday)[]
ミストラルに居た10代後半頃は、ローマンは髪を短いポニーテールにしておりその上に帽子を被っていた。彼はある時、裕福な男から緑のオーバーコートと黒い革手袋を奪い、以降それらを身に付けている。これらの衣装は彼のコンセプトアートのボツ案から取られたものだと考えられる。
本編での衣装[]
服は赤いラインの入った白のスーツに黒のロングパンツで、黒い靴を履いている。アクセサリーとしては短いグレーのスカーフに、袖に留め金の付いた黒いグローブ、そして黒の山高帽を被っている。また、帽子の赤い帯には小さな羽が留められている。
イメージギャラリー[]
人物[]
ローマンの人格は礼儀正しい紳士と冷酷な犯罪者が混ざり合ったものである。 彼は強盗の最中でさえ愛想を振りまき落ち着いた口調で話すが、一方で動揺しイラついたときは敵対心を露にする。 "No Brakes"では、逃げるルビーを撃つようにホワイト・ファングに命令し、自分の武器を折り曲げ、尻込みする部下を激しく非難している。
またローマンは冷酷な一面も持ち合わせており、"Black and White"では彼の計画を邪魔するルビーに対して殺すことをも厭わない攻撃を行い、彼女を吹っ飛ばしたときには大声で笑っている。さらに"Heroes and Monsters"では、現実の残酷さを知らないルビーを杖で殴打し罵声を浴びせている。
洗練された服装やアクセサリーから判断するに、彼は典型的なマフィアのドンや犯罪組織の中心人物のように高級志向であると思われる。 このことは、操縦していたアトラシアン・パラディン-290を破壊されたときのリアクションからも推し量れる。 彼は破片と共に激しく地面に投げ出されたが、パラディンを破壊されたことに動揺したり状況の心配をするよりもまず、体の埃をはらい、スーツが汚れたことを口にしていた。
彼はホワイト・ファングと共闘はしていたが、彼等や一般のファウナスに対して一切敬意を表しておらず、 それどころか事あるごとに彼等のことを見下し、"mutts"(間抜けども)、"animals"(動物ども)と呼んでいた。 ただ、彼がファウナスを総じて嫌っていたのか、それともホワイト・ファングと共に働くことにイライラしていたのかは不明である。 また、彼はシンダー・フォールやその仲間からあれこれ命令されることも気に入らなかったのかもしれない。
彼はまた、敵を嘲り、挑発し、馬鹿にすることがしばしばあった。 例えばブレイク・ベラドンナには"Here kitty, kitty, kitty"(ほらほら子猫ちゃん...)と呼びかけ、またルビーが現れた際には"Well, hello, Red! Isn't it past your bedtime?"(やあ赤ずきん!とっくにお休みの時間じゃないのか?)と言っていた。 この性質は彼が緊迫した状況に置かれていても変わることは無く、ジェームズ・アイアンウッドに拘束され尋問されているときも軽口を叩いていた。
"Heroes and Monsters"にて、彼がシンダー陣営に付いている理由が明らかになった。 彼は、シンダー達を止めることは誰にも出来ないという確信を持っており、自分が敗者の側に居ることは耐えられない、自分は負ける賭けはしない男だ、と考えていた。
RWBY: Roman Holidayではローマンがこのような性格になった要因が示されており、彼が死の直前に言ったモットーが幼い頃に親に捨てられたことから生まれた考え方であることが分かる。また、彼はこの頃から他人を信用しないようになり、結局ニオポリタン以外の人間には心を開くことはなかった。彼が世界に名をとどろかせたいという強い野心を抱くようになったのも幼い頃の惨めな経験の反動である。その結果、彼はヴェイル史上類を見ない程の連続犯罪を成し遂げ、信奉者を生むほどの人物となった。彼は、自分は決して幸せにはなれないだろうと考えているが、金で幸せを買うことを諦めてはいない。したがって、彼は手っ取り早く大金持ちになれる計画をいくつも考えており、その一つがヴェイル中のコーヒーを盗んで自分達で独占して売りさばくという案である。
ローマンは自身の利益のために、言葉巧みに女性の気を引くことが得意である。スパイダーの構成員時代には、相棒だったカメレオンが彼に抱いていた好意を利用して上手く操っていた。彼はヴェイルで初めて銀行強盗をしたあとにはリサ・ラベンダーに花を送った上で、自分の名を売るために利用している。しかしながら、ローマンはニオに対してのみは他の女性とは異なる接し方をしている。彼はニオと初めて会話をしたティーショップでは、彼女に好意を持たれようとしている自分に気付いたときに動揺し、自ら戒めている。また、ニオが彼に対して好意を示すような行動を取ったときにローマンは狼狽し、赤面することもあった。これらの事から、ただ利用するだけの対象であった他の女性とは異なり、ニオポリタンに対しては純粋な好意を抱いていたことがうかがえる。
ローマンは人から出された食べ物や飲み物に関しては神経質であり、常に何か盛られることを警戒している。このおかげで彼はジミー、及びカーメル・ヴァニルから出された薬物入りのお茶を飲まずに済み、危機を脱している。
ローマンはセンブランスというものをあまり信用しておらず、それよりも磨き上げた技術や機知に頼るべきだと考えている。彼がセンブランスを軽視する理由の一つは、多くのセンブランスが戦い以外の場では役に立たないためである。しかし、ニオのセンブランスのことを知ったときは素直に感心し、その応用範囲の広さを高く評価している。
技能と力量[]
戦闘技術[]
ローマンは、自身のセンブランスを発見することができなかった[2]にもかかわらず、非常に優れたファイターであった。ローマンは彼を象徴する仕込み杖のメロディック・カジェルを使って戦っている。 "Black and White"では彼はその杖を使った白兵戦において達人級の腕前を見せていた。 彼はブレイクとサン・ウーコンの二人を相手にした上でほぼ全ての攻撃を受け流している。
またメロディック・カジェルを攻撃に使うこともでき、例えばブレイクを引き寄せて突きを食らわせたり、一撃を浴びせて彼女の体勢を崩したこともあった。 事実として、ローマンはブレイクをほぼ圧倒しており、地面に叩きつけて一時的に戦闘不能にしていた。
彼はまた並外れた精密性を持っており、かなり離れた距離のルビーに対してフックを撃ち出し彼女のフードに引っ掛けている。 さらに、ブレイクとサンという非常に素早い使い手二人を相手にした際に見せた反射神経も特筆すべき点である。 ブレイクがセンブランスによって分身を生み出しているにもかかわらず、ローマンは彼女の位置と動きを完璧に把握し、攻撃に対して素早く反撃していた。 また、サンと戦ったときに見せたように銃撃をも容易に防いでいる。 さらにエアシップ機上でルビーと戦った際には、高速移動を駆使するルビーの攻撃全てにカウンターを浴びせていた。
だが、ローマンは相手を見くびる傾向があり、また奇襲への対応に難があるようである。 "No Brakes"では、ローマンはダストによって強化されたブレイクの分身に対応できず、あっけなく敗れてしまった。
操縦技術[]
"Ruby Rose"では、ローマンは熟練者のようにブルヘッドを操縦しており、いくつもの攻撃に曝されながらも機体の安定性を保っていた。
"Painting the Town..."ではアトラシアン・パラディン-290に搭乗。多くの車が走る道路を難なく駆け抜け、逃げるブレイクとサンに追い付くスピードを見せていた。 また、チームRWBYを倒すには至らなかったものの、パラディンの武器やセンサーシステムも使いこなしていた。
"PvP"ではアトラシアン・エアシップを一人で操縦し、他のエアシップ二機を容易に撃墜していた。
計画立案[]
ローマンはいかにも犯罪計画の首謀者らしい人物である。 "Best Day Ever"ではヴェイルのほとんどのダストを手に入れたような描写があり、彼の計画が恐るべきものであったことが分かる。 その一端は"Players and Pieces"で見られるが、彼はヴェイル全域をターゲットに強奪や襲撃などの計画を立てていたようである。 彼はまた、作戦失敗時の逃亡計画についても万全であり、"Ruby Rose"、"Black and White"でのダスト強奪失敗後や、 "Painting the Town..."でパラディンを破壊された後はいずれもブルヘッドで逃亡している。
また、"Best Day Ever"ではローマンはスリの技術も見せている。彼はエメラルド・サストライから紙切れを盗んでいるが、 その際、相当接近したにもかかわらず彼女はその事に気付いていなかった。
活動履歴[]
背景
ヴェイル・ニュース・ネットワークの放送ではローマンは当局の監視から逃れ続けていることが述べられており、彼は本編開始前から何らかの理由でヴェイル警察に追われる身となっている事が分かる。また、彼は本編開始前のある時点でシンダーに会い、その仲間となっている。
"Yellow" Trailer
ヤン・シャオロンがジュニア・ションの店に入ったときにローマンがジュニアと話す姿が確認できる。彼はジュニアの手下を金で雇い、クラブでのバトルが始まる前に退店している。
本編
ダスト強盗
セイラムの"darkness will return"(闇が戻ってくる)というナレーションに合わせてローマンは登場している。彼は雇った手下を引き連れながら夜の通りを進んでいき、フロム・ダスト・ティル・ドーンというダストショップに入っていった。店主は金を全て渡すと言ったが、ローマン達の狙いはダストであった。ルビー・ローズが彼等の強盗を阻止したあと、ローマンは逃走するため近くのビルの屋上からシンダーの操縦するブルヘッドに乗り込んだ。
彼はダストクリスタルをルビーに投げ付けて爆発させたが、その瞬間現れたグリンダ・グッドウィッチがルビーを守る。その後ローマンが操縦を代わり、シンダーがグリンダと交戦。しばらくの戦いのあとローマンの操るブルヘッドは飛び去った。
- 関連エピソード
ホワイト・ファングとの連携
次にローマンが登場したのは、倉庫のような場所で不機嫌そうに電話を切るシーンであった。その後、一人のホワイト・ファング団員がケースを持って現れ、ローマンは金を払った後彼にケースを開けるよう命じた。中にはダスト・クリスタルが詰められており、ローマンはその一つを確認したあと"We're going to need more men"(もっと人手が必要になる)と呟いている。
数か月後、ローマンはシュニー・ダスト・カンパニーの積み荷を狙ってホワイト・ファング団員と共にヴェイル港に現れた。そこにブレイクが割って入り、彼の首に武器を向けた状態でかつての仲間達に、なぜローマンに手を貸しているのかと疑問を呈した。ローマンはホワイト・ファングと自分が手を組んだ事を彼女に告げ、さらにメロディック・カジェルから地面に炸裂弾を発射してその場から逃れた。
その後、ブレイクとサンを相手に有利に戦いを進めていたが、そこにルビーとペニー・ポレンディーナが現れる。彼は不意を突いた攻撃でルビーを吹き飛ばしたが、怒ったペニーによってホワイト・ファング団員が一掃され、さらに輸送機が破壊されたことで彼の強奪計画は失敗に終わった。彼が倉庫に逃げ帰ったあと、そこにシンダーとその部下が現れる。ローマンは失敗の原因はホワイト・ファングと組んだことだと不満を述べたが、シンダーは、大きな計画のためにホワイト・ファングとの連携を続けるよう彼に命じた。
- 関連エピソード
第二段階
ローマンの秘密倉庫にエメラルド・サストライとマーキュリー・ブラックが現れる。彼等は協力関係にあるが、明らかに互いを嫌っているようであった。ローマンはエメラルドが持っていたタクソン書店のメモを盗んだことで二人がタクソンを殺したことを知る。彼は苛立って二人を脅そうとするが、そこに現れたシンダーによって制止された。
シンダーは手を汚さないようにという命令を守らなかった二人を叱責したあと、ローマンの仕事の遅さの理由を問い質した。彼は計画の全容が分かれば仕事も捗ると返したが、シンダーはその話題をはぐらかし、ダスト強奪を終了させて計画の第二段階に移行することを告げた。そして彼女はホワイト・ファング達とダストを伴って新たな拠点へ移動するようローマンに命じた。
その後ローマンは新入りを含むホワイト・ファング団員達の前で演説を行った。彼は自分達の共通の敵を挙げてその者達に鉄槌を下すための武器を自分が提供できることを述べ、アトラシアン・パラディン-290を披露した。その場にブレイクとサンが紛れている事に気付いたあと、ローマンはパラディンに乗り込んで逃げる彼等を追った。高速道路での追跡劇のあと、彼はパラディンでチームRWBYと交戦。ローマンは破れパラディンは破壊されるものの、ニオポリタンが彼を救いに現れ、二人はブルヘッドで逃走を果たした。
バトル・オブ・ビーコン
死亡
死後の影響
復讐
トリビア[]
- ローマンの名前はおそらくピノキオのキャラクター、ロメオ・キャンドルウィックから取られている。
- ローマンの容姿はディズニー映画版ピノキオのランプウィック(ディズニー版ではキャンドルウィックから改名)と類似している点がいくつかある。
- RWBY Volume 1 BD/DVDのディレクターズコメンタリーによると、ローマンの容姿は映画、時計じかけのオレンジへのリスペクトであるとのこと。これは、ローマンの山高帽やアイライン、白い服を好むところが映画に登場する不良集団(ドルーグ)にそっくりであることを言っていると思われる。
- 元々、ローマンの出番はVolume 1のみの予定だった。しかし、Monty Oum、Miles Luna、Kerry Shawcrossの3人が彼のキャラクターやGray G. Haddockが演じる声を気に入ったためVolume 2以降も登場することになった。
- ローマンの名前と武器は有名な花火"Roman Candle"に関連している。これは複数の火花が噴き出すもので、いくつかの国では違法になっている。
- ローマンはルビーのことを"Red"(赤ずきん)と呼んでいる。これは彼女が童話の"赤ずきん"に由来されていることを示す要素の1つである。
- ローマンの戦闘スタイルは"Bartitsu"から影響を受けていると思われる。これは、素手の格闘に加えて杖を武器として使用する格闘術である。
- ローマンのエンブレムはジャック・オー・ランタン、あるいはウィルオウィスプと呼ばれるものである。
- "Ruby Rose"では、ヴェイル警察署が付けたローマンの犯罪者IDは274761453となっている。
- "Best Day Ever"でローマンがエメラルドとマーキュリーに向かって首を掻っ切る真似をするシーンがあるが、これは台本には無くアニメーターのShane Newvileが付け足したものである。
- ローマンは劇中で明確にグリムに殺された最初の人物である。
- 当初、ローマンには"Deep Pockets"という名前のセンブランスが用意されていたが、ストーリー上で彼がセンブランスを披露する場面が無かったためこの設定はボツとなった。その後、この能力のアイデアはフィオナ・タイムのセンブランスとして再利用された[3]。
- "RWBY: Roman Holiday"に登場したローマンの犯罪計画の内のいくつかは、RWBY Chibiに登場した"Death Ray"などのネタから取られている。
参考[]
- ↑ 作者への質問の回答から、Roman Holiday終了時から本編開始まで3~5年が経過している。
- ↑ Rooster TeethのTumblrにおけるQ&A(2017年10月5日)
- ↑ RWBY: Volume 7 Director's Commentary – Chapter 7