マリーア・カラヴェラ(Maria Calavera)は、"Argus Limited"で初めて登場した人物。グリム・リーパー(The Grimm Reaper)としても知られる。武器はライフ・アンド・デスと名付けられた2本1組の鎌だが、現在は片方しか持っていない。
外見・衣装[]
現在[]
マリーアは老齢の女性である。肌は褐色。髪は白く、長い三つ編みにして背中に垂らしている。身長は低く背中が丸まっており、歩くのに杖を必要とする。
伝統的なタバスコ・スタイルのフルサイズのドレスを着用している。上着はダークブルーのフルスリーブ。スカートはライトブルーとダークブルーの交互の層から成る。ドレスに加えて、厚い茶色の手袋、重いブルーのマントを身に着けている。マントの裾と首回りはライトブルーの帯の上に白い三角形のパターンのトリムがある。マントは、装飾のある白い固定具で肩に固定されている。
トックに両目を切られて盲目となってからはゴーグルのような人工眼を着けている。人工眼は暗い灰色でレンズ部分はシアン。各レンズには調節可能なシャッターがセットされており、それにより自然な表情を模倣できる。左目側の上部からは2本のアンテナが伸びている。右目側の上部には無線受信機のための端子が付いており、これによって外部機器からの情報を直接受信可能となる。
若年期[]
現役のハンターとして活躍していた頃のマリーアは、肩までの長さの黒髪と銀色の目を持ち、背丈も現在の2倍ほどあった。顔には凝った装飾のドクロの仮面を付けており、下あご以外を完全に隠していた。ダークグレーの縁が付いた青いチュニックの上に、紐で綴じられたコルセットを付けている。チュニックの先には暗いティール色のスカートが連なっており、このスカートにも同じくダークグレーの縁が付いている。チュニックの胸元はV字型に開かれており、白い襟が見えている。袖は肘の上部分で細く絞られた形になっている。また、服の上からダークグレーのフード付きマントを羽織っている。靴は茶色のブーツで、首にはドクロのネックレスを身に付けている。
イメージギャラリー[]
人物[]
マリーアは高齢にもかかわらずエネルギッシュである。常に平然とした態度で、電車の脱線でさえ何ということはないといった様子を見せた。ルビー・ローズ達に対しても当初から友好的な態度であったが、自身を「無力だ」とか「歳だ」という者にはすぐに反発している。目が見えないことや年を取っていることを自分で冗談の種にすることはしばしばあるが、アパシーの脅威を見抜けなかった時には、能力が衰えたことについて自らを責めた。
マリーアは冷静で、緊張が高まった場面でも健全な精神状態を保つことができる。"So That's How It Is"でルビー一行が取り乱した際には全員を叱咤した。またチームRWBYがアパシーと遭遇した際には迷わず脱出するように指示した。しかし聖人君子というわけではなく、キャロライン・コルドヴィンとのやり取りの中で見られるように、けちで意地悪な一面もある。
若い頃のマリーアは、自信過剰な面が見られ、しばしば危険を冒すことがあった。彼女はジャイアント・ネヴァーモアを倒す際も、高所にある吊り橋からその背に飛び乗っている。マリーア自身も、過去の自分が派手な戦い方を好み、力を見せ付けようとする傾向があったと認めている。「グリム・リーパー」としての名声が広まるにつれて彼女はますます自信過剰となっていき、トック率いる傭兵部隊と対峙したときには彼女達を格下とみなすような発言をしている。この自惚れの結果、彼女は両目を失うという大きな代償を支払うことになった。
このような経験の結果、現在のマリーアはより賢く、慎重に物事を考えるようになった。センブランスのプリフレックスによって周囲の出来事を事前に察知できることも相まって、彼女は若い頃よりも戦い巧者になっている。
"The Grimm Reaper"にて自身の過去を語ったあと、マリーアは世界をより良くするためにもっと貢献したかったと後悔を漏らした。また、両目を失ったあと戦う意思を無くしてしまった自分はハンターとして期待外れであり、憧れの対象になるべきではないと話した。彼女は現世代のハンターであるルビー達のことは高く評価しており、世界の未来を安心して託せると語っている。
技能と力量[]
年老いた現在でも平均より持久力や耐久力があり、列車の脱線を難なく切り抜けたり、怪我なく深い井戸に飛び降りたりしている。また、年を感じさせないほど速く走る様子も見せた。
"Amity"では、マリーアは若い頃の経験とセンブランスによってニオポリタンほどの手練れに対しても十分に戦えることを示した。彼女は最小限の動きでニオポリタンの攻撃を防ぎ続け、戦いをリードしていた。攻撃の面ではパワー不足であるため相手に決定打を与えることはできず、最終的には気を取られた隙を突かれてダウンを奪われてしまったが、ニオポリタンをしばらくの間足止めするという役割は十分に果たした[1]。
武器[]
- メイン記事:ライフ・アンド・デス
マリーアの武器は、銃火器が付いた2本の鎌のライフ・アンド・デスである。この武器は1つに連結することもできる。全盛期には、センブランスの効果もあって高い戦闘技術を有していた。2本の鎌を自在に振るって複数人を相手にしても十分に戦うことができ、それに埋め込んだグラビティ・ダストも効果的に使っていた様子が見られる。両目を失い、年老いた現在では1本の鎌のみを杖として使用している。
センブランス []
- メイン記事:プリフレックス
マリーアは自身のセンブランスをプリフレックス(予見反射)[2]と名付けている。これにより彼女は、全てのことを他の人々より鋭く感じ、攻撃が起こるか起こらないかのうちに反応することが出来る。彼女は、死角からの攻撃にも反応することができ、例えば背後からの銃撃もかわすことができる。
操縦技術[]
マリーアは航空機のパイロットとしても優秀であり、マンタを難なく操縦している。人工眼の受信機を取り付け、機体のセンサー情報を直接受信することでさらに操縦技術は向上される。
航空機の他にも、彼女は産業用ロボットの操縦もこなしている。アミティ・コミュニケーション・タワーでは、彼女はピエトロ・ポレンディーナを手伝うため、ロボットに乗り込んで巨大な装置の運搬を行っていた。また、この状態でシンダー・フォールや、ニオポリタンの操縦するマンタとも戦っている。
銀の眼[]
- メイン記事:銀の眼の戦士
マリーアは生まれながらに銀の眼を持っており、その眼からグリムにとって致死的なまばゆい白い光を放つことが出来た。彼女はその能力によって一瞬のうちに巨大なネヴァーモアを石化させたことがある。彼女はこの能力の発動に関して、同じ眼を持つルビーよりもよく理解している。この能力は破壊の手段ではなく守護のための手段であると述べ、その起源は光の神の能力だろうと推論している。トックとの戦闘で両目を失ったため、現在の彼女はこの能力を使用することは出来ない。
トリビア[]
- マリーアは多くの点で、西洋の神話における死神をモチーフにしていると考えられる。
- 彼女のニックネームであるグリム・リーパー(Grimm Reaper)は死神を指す"Grim Reaper"をもじったものである。
- 彼女の若い頃の衣装は、フードやドクロの仮面などが死神を彷彿とさせている。
- 武器名のライフ・アンド・デスも、死を司る神に関連している。
- マリーア(Maria)はラテン名で、その意味については多くの説がある。一説には、「神に選ばれし者」を意味するヘブライ語名のミリアム(Miryam)の訳だという。またマリーアはメアリー(Mary)のラテン名でもあり、メアリーはキリスト教において、神に選ばれてその子であるイエスを身ごもった女性とされる。
- 青色はイエスの母マリアを象徴する色とされ、キリスト教文化圏における美術作品ではマリアは青い服を着て描かれることが多い。
- "Maria"の意味の1つとして「大いなる苦しみ」(sea of bitterness)というものがある。これは両目を失い、ハンターとしての役目も果たせなくなったあとのマリーアの心境を表していると言える。
- カラヴェラ(Calavera)はスペイン語で「頭蓋骨」を意味する単語である。メキシコでは死者の日の祝祭で粘土製の頭蓋骨をデコレーションする習慣があり、マリーアの杖の持ち手部分も頭蓋骨の形をしている。
- また、メキシコではユーモアの意味で生きている者に送る追悼文のことも"Calavera"と呼ぶ。死者の日にはしばしば友人同士でこの追悼文の交換が行われる。
- 元々の構想ではマリーアはVolume 5に登場する予定であったが、ストーリーのバランスを取るためにこの予定は変更された[3]。
- この構想ではマリーアは猫を飼っており、クロウ・ブランウェンがハンター達を探しているときに彼女を見つけるという流れになっていた。
- Volume 7にて、制作スタッフはより多くのシーンでマリーアを登場させようと努力したが、その半分以上において彼女を入れる余地が無く断念された[4]。
- Miles Lunaによると、スタッフはVolume 8ではマリーアとピエトロを多く登場させたいと考えていた。プロット上、彼女達のシーンに多くの時間を割けないことは分かっていたため、"Amity"にて彼女達の活躍シーンを用意することで単なるサブキャラクターとならないようにした[5]。
- 褐色の肌、アーモンド形の目、黒髪といったマリーアの外見上の特徴は、メキシコ先住民族、特にナワ族とよく似ている。また、彼女の衣装のモチーフになっている死者の日の文化も先住民族との関連を示している。
- マリーアの声を担当したMelissa Sternenbergは、RWBY Volume 6以前にRooster Teethの他のアニメーション作品であるNomad of NowhereやCamp Campでも年配女性の役を担当していた。これについて彼女は、「前にやった2つの年配女性の役のせいで(オーディションの)チャンスが失われることはなかった」とジョークを言っている。
- Melissaは、マリーアを演じるにあたってらんま1/2のコロンやアメリカのアニメーションシリーズ、ArcherのMalory Archerを意識したと語っている[6]。
参考[]
- ↑ RWBY Volume 8 Directors' and Writers' Commentary chapter 5
- ↑ Subtitles on Rooster Teeth's website
- ↑ RWBY Volume 6 Blu-ray Director's Commentary
- ↑ RWBY Volume 7 Crew Commentary - Chapter 7
- ↑ RWBY Volume 8 Directors' and Writers' Commentary Chapter 5
- ↑ Melissa Sternenberg's Twitter