ヘイゼル・ライナート(Hazel Rainart)はセイラムの部下の一人だった人物である。初登場は"The Next Step"。
"Witch"にて、セイラムの真の目的を知ったヘイゼルは彼女から離反することを決め、その身を犠牲にしてオスカー・パインとエメラルド・サストライのモンストラからの脱出を助けた。
外見・衣装[]
ヘイゼルは大柄で筋肉質の中年男性である。身長はアダム・トーラス(193cm)よりさらに頭一つ以上大きい。茶色の短い髪と顎鬚を持ち、ハシバミ色の目をしている。毛深い腕には、ダスト注入で付いたと思われるいくつかの傷跡が見受けられる。
オリジナル(Volume 4~6)[]
初登場からしばらくの頃、ヘイゼルは袖が少し短いシャツと大きなベルトをして、その上にツートンのオリーブグリーンの燕尾コートを着ていた。黒のズボンの両脚にポーチを付け、足先が白い茶色のブーツを履いている。
アトラスでの衣装(Volume 8)[]
Volume 8で登場したときは、彼は髪を後方に流し、短いポニーテールにまとめている。黄色い縁取りが付いた袖無しのダークグリーンのベストを着ており、むき出しの腕には傷跡が目立っている。前腕には白い包帯を巻いており、手には茶色のフィンガーレス・グローブを身に付けている。また、手の甲部分には金属の補強が入っている。茶色のズボンの両脚に革製のストラップを巻いており、それが腰のベルトに繋がっている。靴は以前のものと似た茶色のブーツで、つま先部分は金属の補強が入っている。
イメージ・ギャラリー[]
人物[]
ヘイゼルは、セイラムの他の仲間と比較して冷静かつ落ち着いた性格である。彼は控えめな態度で滅多に話すことはないが、シンダー・フォールの敗北に関しては他の仲間同様に批判をしていた。駅で立ち往生するオスカーを助けたあとの発言からも分かるように、人が小さな障害で躓くことに我慢がならないようである。
ホワイト・ファングのリーダーであるシエナ・カーンとの会談では、彼女に対し礼儀正しく敬意を示していた。その一方で、彼はシエナの脅しには一切動じることなく圧倒的な自信をもって接している。
失敗に対して厳しいとはいえ、ヘイゼルは残酷な性格ではなく他者に同情することもある。アダム・トーラスがシエナを殺害した際には、ヘイゼルは悲しむような表情を見せ、対話を軽視して行動したアダムに対する苛立ちと不必要な死に対する落胆を示していた。エメラルド・サストライ、マーキュリー・ブラックと共にエヴァーナイトの城に戻ってきたあとは、彼はミストラルでのシンダーの失敗の責任を自身が被り、さらにエメラルドとマーキュリーの二人が罰せられないよう守ろうとしている。精神的に不安定な仲間のティリアン・キャロウズとは異なり、ヘイゼルは不必要な殺人を好まず、暴力を振るうにはそれなりの理由が必要であると考えている。ノーラ・ヴァルキリー、ライ・レンと対峙したときも初めは戦いたくないという意思を見せていた。
しかし、オズピンと対峙したときだけはヘイゼルは普段の態度を変え、怒りと殺意を露わにしている。彼は妹のグレッチェン・ライナートが亡くなった理由はオズピンにあると考えており、オズピンが転生するたびに彼を殺すと決めている。ヘイゼルは、妹がハンターに憧れたのはオズピンの語る大義に騙されたせいであり、妹自身の意思で決めたことだとは考えていなかった。オズピンへの復讐のためであれば、ヘイゼルは殺人も容認しているようでアニマ各地でのティリアンのハンター殺害をサポートしていた。この時は子供を痛めつけることも厭わず、自身の前に立ち塞がるノーラに電撃を浴びせており、"Fault"でも、知識のレリックの秘密を話さないオスカー・パインを拷問している。
"Midnight"では、ヘイゼルは、セイラムは絶対に倒せない存在であると考えていることが明らかになった。彼がセイラムに従っているのも、計画に賛同しているわけではなく抗う術が無いためである。また、彼がオズピンを恨んでいる大きな理由の一つが、その無敵の存在と子供たちを戦わせて死なせているという点である。
"War"にてオスカーからセイラムの真の目的を知らされたとき、ヘイゼルは初めはその言葉を信じていなかったが、オスカーが知識のレリックを使うための合言葉を正直に話したことで彼の言葉を信じるようになった。そして、"Witch"では、彼とエメラルドはオスカーのモンストラ脱出を助けることを決めた。脱出を阻止しようとするセイラムに対し、ヘイゼルは敵わないと知りながらも抗うことこそが妹の遺志だと信じて応戦する。死を覚悟した彼は身体の限界以上にダストを注入してセイラムを足止めし[1]、オスカーとその仲間たちの脱出を成功させた。
技能と力量[]
セイラムの部下の一人として、ヘイゼルは戦うと決めたときには無情な戦士となる。彼の戦いは武器を一切使用せず己の拳とダスト、そしてセンブランスのみを利用する点が特徴的である。彼のファイティングスタイルはパワーに物を言わせて大振りな攻撃を繰り返すもので、1発1発が大きな破壊力を持っているが、オズピンとの戦いでも見られたように相手に攻撃の隙を突かれやすい戦い方でもある。
ただし、彼はある程度の素早さも兼ね備えており、クロウ・ブランウェンの攻撃やセイラムのビームをかわしたりしている。また、彼は単純に殴りつけるだけでなく相手を掴んで投げ飛ばしたり、相手の武器を奪って武装解除させることも得意としている。さらに、オーラで守った彼の肉体は武器による攻撃も容易に止めることができる。
彼の拳の破壊力は、彼が駅の券売機を軽く叩いただけで凹みを作っていたことから推し量れる。また、彼のパンチは一撃でセイラムを吹き飛ばしており、その後も彼の振るう拳は彼女の身体に深い損傷を与えている。
ヘイゼルのもっとも注目すべき能力はその持久力である。ヘイヴンの戦いでは彼は全くオーラ切れする様子を見せず、クロウはヘイゼルのことを純粋な意思力の塊と表現している。最終的にヘイゼルが退いたのも自身の限界のためではなく、仲間の撤退に合わせたものである。
これらの要素により、ヘイゼルは作中でも最も肉体的に強力な戦士の一人であると言える。
ダストの活用[]
ヘイゼルは戦闘において、必要とあらば己の身体にダスト鉱石を注入している。ダストを注入したヘイゼルは、腕の血管が光る、筋肉が膨らむ、目が光り輝く、声が歪みエコーがかかる、などの変化が起き、ダストの種類によって放電したり炎を発して攻撃できるようになる。彼は同時に複数の種類のダストを身体に注入することができる。また、センブランスの効果により、ダストを注入する際の痛みは最小限に抑えられている。
"Witch"では、ヘイゼルはダストをフルに活用してセイラムに戦いを挑んでいる。彼はライトニング、ロック、ファイアのダストで巨大な岩の塊を作り出してセイラムに投げ付け、ハードライト・ダストで攻撃を防ぎ、ウィンド・ダストで高く跳躍し、ライトニング・ダストで反射神経と移動速度を高め、さらにはファイア・ダストで複数の火球を放っている。このように彼は複数のダストを高いレベルで使いこなしており、作中でも最も優れたダストの使い手であったと言える。
センブランス[]
- メイン記事:ナミング・エージェント
ヘイゼルのセンブランスであるナミング・エージェントは自身の痛覚を遮断する能力である。これによって彼は、相手の攻撃を受けたり大量のダストを身体に注入しても動じることなく耐えられるようになる。ただし、傷を負わなくなるわけではない。
トリビア[]
- ヘイゼルは童話のヘンゼルとグレーテルをモチーフに作られたキャラクターである。
- ヘイゼル(Hazel)はハシバミ、及びハシバミ色を意味し、茶色や黄土色を表す名前であると言える。また、ハシバミ色の目と言えば緑と茶色の中間の色の目を表す。
- ライナート(Rainart)は古いドイツ系の名前である"Reinhardt"の変化形の一つで、「勇敢な助言」[2]、「力強い審判」といった意味がある。
- ドイツ系の姓であるのは、ヘンゼルとグレーテルがドイツの話であることに合わせたものだと考えられる。
- ヘイゼルの244cm(8フィート)という身長は人型のキャラクターの中では最も高いものである[3]。
参考[]
- ↑ RWBY Volume 8 Directors' and Writers' Commentary Chapter 9
- ↑ Think Baby Names
- ↑ RWBY Volume 5 Blu-Ray Commentary