ティリアン・キャロウズ(Tyrian Callows)は国際的に指名手配されていた連続殺人鬼で、セイラムの部下の一人である。初登場は"The Next Step"。
外見・衣装[]
ティリアンは金色の目をしており、髪の毛を後ろで束ねてサソリの尾のようなポニーテールにしている。服は袖なしの白いジャケットと白いズボンで、それらを革のベルトで留めている。ジャケットの前は開いており、露出した胸には複数の傷跡が見えている。腕には茶色の包帯を巻き、さらに革の手甲を付けている。靴は膝当てが付いた革のニーハイ・ブーツである。
銀色のイヤリングを両耳に付けており、さらに左耳の上部には別のイヤリングも付けている。
"Tipping Point"では、彼のファウナスとしての特徴が、背中から突き出たサソリの毒針であることが明らかになった。彼はこの毒針を使用しないときは、自身の革のベルトに巻き付けることで偽装している。また、目の色は金色から紫色に変わることがある。
ルビー・ローズとの戦いで彼女のクレセント・ローズにより毒針は尻尾から切断された。しばらくは尾の先端は人工のキャップで保護されていたが、その後、アーサー・ワッツの手により尾の全体が金属のプレートで覆われ、先端には人工の毒針が取り付けられた。
ティリアンは茶色のダスター・コートを着ていることがあり、またVolume 7ではそこにフードも追加されている。
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人物[]
ティリアンの声を担当したJosh Grelleによると、彼は精神異常が形となったような人間で、世界が燃える様を見たがっていると評した[1]。ティリアンは情緒不安定、かつ社会不適合であり、極めてサディスティックな人物であると言える。その事がよく分かる出来事として、彼はルビーの攻撃で片目を失ったシンダー・フォールに対して仕返しにルビーの目を奪うことを提案し、その後、狂乱したように大笑いしている。The World of RWBY: The Official Companionにおいても、彼は救いようのない人物であると表現されている。
戦いでは優勢になると自信過剰となり、不注意に攻撃を受けることがしばしばある。また、大げさな身振りや演劇を演じているかのような派手な動きを取ることもある。その他、彼の奇人ぶりを表す行動として、椅子の上に中腰の姿勢で座る、刃物でわざと自身の頬を傷付ける、などが見られる。
ティリアンの情緒不安定さが最も浮き彫りになったのは"Taking Control"にてセイラムから失望したと告げられたときだった。ティリアンは絶望の中で叫び続けたが、彼を狙って近づいてきたベオウルフに対して泣き叫びながら反撃し、ベオウルフが死んだ後も笑いながら執拗に攻撃し続けた。また、アトラスに着いて間もない頃は、彼は周囲の目を異常に気にし、任務を開始するためにワッツが説得する必要があった。
一方でティリアンは他人の性格に関して驚くほど観察的で洞察力がある。自分の立ち位置に悩むマーキュリー・ブラックの心境を適格に推測して指摘している。また、彼はシンダーと同じく他者の心理を上手く利用できる人物である。彼はクロウ・ブランウェンのクローバー・エビへの怒りを上手く利用して戦いの最中クローバーを殺害し、さらにその罪をクロウに着せて自身は逃走を果たしている。
ティリアンは、その狂気的な精神によって痛みに対する強い耐性も持っている。"With Friends Like These"では、彼は親指の関節を無理矢理外してグラヴィティ・ボーラの拘束から逃れ、その後、平然と関節を元に戻している。その他の場面でもむしろ痛みを楽しんでいるかのような様子を見せることがあるが、肉体的な苦痛を感じないというわけではなく、"Punished"で毒針を切り落とされたときは苦痛の叫び声を上げている。
"War"では、ティリアンの虚無主義的な思想が明らかになった。彼は、セイラムの目的がレムナントを破壊し尽くすことで、その過程で彼自身も死ぬことになると知りながらも、それこそが究極の美であると言って彼女を支持している。The World of RWBY: The Official CompanionのMiles Lunaの説明によると、セイラムはティリアンの持つ破壊衝動の体現者で、彼の望みを全て叶えてくれる存在である。
技能と力量[]
不安定な精神を持つ一方で、ティリアンは非常に優秀なファイターである。普段の気まぐれな性格とは裏腹に、尾を隠して切り札として取っておくなどの理知的な作戦を取っている。彼の戦闘スタイルは尾と4つの手足を全て活用するもので、1対多の状況でも難なく戦っている。しかしながら、戦いを楽しみすぎる余り相手の攻撃に無頓着になるという欠点がある。その事が最も災いしたのが、クロウに致死量の毒を注入したあとに油断してルビーに毒針を切断されたときである。
ティリアンは移動スピードが非常に速く、瞬く間に相手の死角をついて攻撃することができる。その俊敏さによって、チームRNJRとの戦いでは本気を出さずとも彼等を圧倒していた。
ティリアンのパワーは相当なもので、毒針を切断されたあとにもかかわらず尾を振るって飛び掛かってきたベオウルフを吹っ飛ばしている。また、反射神経も優れておりロビン・ヒルの至近距離からのボウガン攻撃を簡単に避けるほどである。彼の戦闘スタイルは実際のサソリに似ており、相手の動きに素早く反応して鋏のような両手の武器と毒針で攻撃するものである。彼は背後からの攻撃も視認せずにかわしているため、実際のサソリのように地面の振動などを感知している可能性がある。ブレイクダンスのような動きを取り入れたティリアンの戦い方は常人とは一線を画しており、相手からは予測困難で厄介なものとなっている。
シンダーは彼のことを十分に訓練を積んだハンターを容易に殺すことができると評している。セイラムが彼を単独でミストラルへ派遣したことや、クロウ、クローバー、ロビンの3人を相手に一時は互角に立ち回っていたことからもその実力は証明されている。
武器[]
- メイン記事:クイーンズ・サーバンツ
ティリアンの武器であるクイーンズ・サーバンツは、両手の籠手に取り付ける円形の刃で、その形状はサソリのハサミに似ている。刃の間には小口径の銃火器も搭載されている。
追跡[]
セイラムのもとでのティリアンの主な役目の一つはターゲットの追跡である。"The Next Step"にて彼はルビーの捕獲を命じられたが、その前には行方不明の春の乙女を見つけ出す任務を与えられていた。彼は広大なアニマ大陸の中でチームRNJRを発見しているため、追跡能力は相当なものであると考えられる。
毒針[]
毒針の付いた尾もティリアンの強力な武器の一つである。この尾には伸縮性があり、さらにセンブランスで強化したノーラ・ヴァルキリーの攻撃を受け止めるほどの耐久性を持っている。この毒針から注入される毒は石を腐食させるほど強力で、この毒を僅かな量でも受けた人間はおよそ1日で瀕死に至る。クロウとチームRNJRとの戦いで毒針を失ったあとは、ワッツが作った人工の毒針に置き換わった。
センブランス[]
- メイン記事:オーラ・ディスラプション
ティリアンのセンブランスであるオーラ・ディスラプションは、相手のオーラを無効化できるようである。センブランスを発動させるとティリアンの目と腕が紫色に輝き、彼の手が触れた場所のオーラは消えるため、相手は無防備な状態で攻撃を受けることになる。
トリビア[]
- ティリアンは寓話「サソリとカエル」のサソリに基づいて作られたキャラクターである。この寓話における、自分を助けてくれる者まで攻撃してしまうというサソリの本能がティリアンのキャラクター性を表している[2]。
- ティリアン(Tyrian)という名前は貝紫色(英名:Tyrian purple)に関連している。この色は彼の毒針から分泌される毒の色や、彼が毒を使う時の目の色、また彼のオーラやセンブランスの色とよく似た色である。
- また、ティリアン・ブルー(Tyrian Blue)、ティリアン・ピンク(Tyrian Pink)という色も存在する。Tyrianという形容詞は現在のレバノンにあたる地域にあったフェニキアのティルスという都市を表している。
- キャロウズ(Callows)という姓はCallowという英単語に由来すると考えられる。Callowは「未熟」という意味で、特に生まれたばかりで毛が生えていない鳥や、脱皮したてで柔らかく半透明の虫などを表す[3]。
- ファウナスのキャラクターの多くはデザインに、元になった動物の特徴が取り入れられている。ティリアンの場合もサソリを彷彿とさせるデザインが含まれている。
- クイーンズ・サーバンツはサソリのハサミによく似ている。
- ポニーテールはサソリの尾によく似ている。
- Kerry ShawcrossとKiersi Burkhartによると、ティリアンは、ワッツのような者を苛立たせるためにわざとキーボードを連打してほぼ絵文字だけのメールを送るような人物である[4]。
参考[]
- ↑ RWBY Season 4 World of Remnant & Episode 7 Review & AfterShow | AfterBuzz TV
- ↑ Fan Service: Attack on Titan and Knuckles
- ↑ Wiktionary
- ↑ RWBY Volume 8 Directors' and Writers' Commentary Chapter 6