センブランス

「そうね、ルビーには高速移動、ワイスには魔法があるでしょ。私の場合は磁力を味方にする」

━━ピュラ・ニコス

概要

センブランスはオーラをより実体化させたものであり、個人のもつ特殊能力である。使い手の個性を表しており、その効果は様々で、ルビー・ローズの高速移動、ヤン・シャオロンの受けたダメージを自分のパワーに変えて打ち返す、ブレイク・ベラドンナの分身生成、ワイス・シュニーの魔法による召喚や支援など様々なものが存在する。個人によって能力が大きく違うが特殊な場合もあり、シュニー家のようセンブランスが遺伝するケースも存在する。公式ではセンブランスはオーラを消費して発動するとされている。

ダストとの併用

ワイスはミルテンアスターのダストが注入されたシリンダーを変えることで魔法の効果を変化でき、ブレイクもガムボール・シュラウドにダストが込められたマガジンカートリッジを装填することで属性を付与した分身を繰り出す等、センブランスとダストを組み合わせることが可能になっている。

使用による影響

グリンダ・グッドウィッチが破壊されたテレキネシスで修復した後や、ワイスが召喚を成功させた後に疲労していることからセンブランスの使用は体力を消耗するものと思われる。

心理的影響

バイタルフェスティバルにてピュラ・ニコスとペニーポレン・ディーナの試合において、ピュラの盾と槍が自身のセンブランスで歪む描写が見られる。ピュラに訪れたとある出来事により精神的な混乱とストレスが発生したことから、精神状態の影響を受けるものと考えられる。

使用者

チームRWBY

ルビー・ローズ

　ルビーのセンブランスは「高速移動」とピュラ に呼ばれている。移動にセンブランスを用いると、瞬間移動にも見える、目にも留まらぬ速度で移動することができる。ルビーは戦闘中にこの能力を使い、攻撃をかわしたり、敵を混乱させたり、迅速に交代した後素早く反撃したりする。また、わずかに飛行することもできる。センブランスを使用すると、彼女の通り道に赤い薔薇の花弁が舞う。

　“Best Day Ever ” で見られるように、高速移動中に発生する風は人を含む様々なものを巻き込むほど強烈なものである。また、高速移動中に人や物を掴んで運ぶこともできる。

　しかし、重いものを運ぶのは困難なようで、能力を最大限使用して運んでもふらついてしまう。この様子は”A Minor Hiscup ”でペニー・ポレンディーナ を運んだ際に見ることができる。他の高速移動の弱点は、ルビーが完全に能力を制御できないことで、ちゃんと使用するためには集中しなければいけない。”Players and Pieces ”でのデスストーカー からの逃走劇、そして”No Brakes ”での様子から伺える。

　ビーコン陥落後、ルビーのセンブランス制御能力が上がったようだ。Volume 4 Character Short では、空中、攻撃中の高速移動で何度も方向転換してみせた。また、高速移動中に3つの花びらの塊に分裂して敵の攻撃を回避しつつ、3方向から敵の背後に回って元の姿に戻るという芸当を見せた。この詳しい仕組みは未だ不明である。

　“The Next Step ”でルビーは仲間との連携にセンブランスを使用した。ルビーはノーラ を高速移動しつつペトラ・ギガスの前に運んだのだ。

ワイス・シュニー

　ワイスのセンブランスは、シュニー家に遺伝している「魔法陣生成」である。彼女の魔法陣は物や怪物、彼女自身を含めた人などに様々な効果を与える。魔法陣は物や固体の表面のような役割もするため、ワイスはこれを踏み台にして飛んだり、動作のコントロールに使用することもある。

　魔法陣の使用法として、物理的特性を活かしたのは、”The First Step Pt.2 ”での、落下時に飛ぶための台として使用したこと。”The Badge and The Burden, Pt.2 ”での対ボーバタスク 戦で盾、または障壁として使用したこと。”Players and Piece ”をはじめとする様々な場面で空中や表面上の物体を加速させるために使用したことがある。

　彼女の主要武器であるミルテンアスター を使用している時、装填されているダストを用いて魔法陣が持つ効果を幅広く変更することができる。その1つに、タイム・ダイレーションというものがある。運動、反応の速度を上昇させるものだ。ワイスは魔法陣の効果を他のモノに付与することができ、”Painting the Town… ”でのアトラシアン・パラディン-290 戦では、ブレイク にタイム・ダイレーションを付与した。

　魔法陣の他の応用法に「召喚」がある。ウィンター によると、シュニー家の人間は過去に負けた経験がある敵を味方として召喚できるという。ウィンターは”Lessons Learned ”でワイスの召喚の練習に付き合っていた時、ワイスに今の自分を形作った敵を思い浮かべろという助言を与えた。ワイスが思い浮かべたのは、以前”White” Trailer で敗北したことがあるジャイアント・アーマーであった。そしてワイスは、”Heroes and Monsters ”でジャイアントアーマーの右腕と剣のみであるが、召喚することができた。

　“Tipping Point ”でワイスは思いがけずセンブランスを使用してしまい、ボーバタスクを召喚してしまった。このときのボーバタスクは完全な形で召喚された。

ブレイク・ベラドンナ

　ブレイクのセンブランスは「影」であり、影で自分の分身を作ることができる。分身は固体ではあるが、攻撃されるか、ブレイクが分身から遠く離れると簡単に霧散してしまう。敵の気を紛らわせたり、攻撃の回避に使用することが多く、分身はブレイクが出したい方向に作り出すことができる。

　また、ブレイクは分身に属性を付与するためのダスト弾を主要武器、ガムボール・シュラウド に装填している。分身は、使ったダスト弾によって完全な固体となったり、完全な無形になったりする。ファイア・ダストを使用するとモノに触れると爆発する炎の分身に。アイス・ダストを使用すると凍りついた固体の分身に。アースまたはストーン・ダストを使用すると分身が石像に変わる。

　“Mountain Glenn ”で、ブレイクは自身のセンブランスを、出くわした問題に対して向かっていくのではなく、逃げてしまう傾向の現れだと言った。それは、使用法の1つ、攻撃を分身を使って回避するということにも現れているだろう。

　やがて、ブレイクの影分身は単なる分身ではなく、長い時間存在できるデコイへと成長した。また、”Of Runaways and Stowaways ”で、分身はブレイクを空高く飛ばす力を見せた。

ヤン・シャオロン

　ヤンのセンブランスは、彼女が負ったダメージからエネルギーを吸収し、自分のものにするというものである。事実上、ダメージを負えば負うほど強くなる。しかし、無敵であるわけではなく、アダム・トーラス によって右腕を切断されたように、ダメージ自体は負う。センブランスを使用すると目の色が薄紫色から赤色に変わる。これはセンブランスの副作用らしく、時々戦闘外でも変わることがある。また、センブランスを使用している間の彼女の髪からは気のようなものが放出される。モンティ・オウム はヤンのセンブランスを格闘ゲームのパワーゲージだとなぞらえた。

チームJNPR

ジョーン・アーク

　ジョーンのセンブランスはまた表向きに明らかになってはいないが、”Forever Fall Pt.2 ”でカーディン・ウィンチェスター がジョーンの顔面を殴った時、まばゆい閃光が生まれ、ジョーンは被害を受けなかったが、カーディンは腕を痛めた。モンティによると、これがジョーンのセンブランスについての最初のヒントだという。

ノーラ・ヴァルキリー

　ノーラのセンブランスは電気エネルギーを生み出し、筋肉に集中させて驚異的な力を発揮することである。さらに、電力の殆どを吸収してしまうため、電撃によるダメージは殆ど無力化される。見たところ、オーラの具合にもよるかもしれないが、吸収できる電気量に制限はないようである。

ピュラ・ニコス

　ピュラのセンブランスは磁力操作である。一斉に非常に多くの金属体を操作することができ、急激に加速させることもできる。アルミのような磁性を持っていない金属ですら動かしたり、巨大な歯車を持ち上げて投げたりできる強力なセンブランスである。彼女の武器であるミロ・アクオを浮かせたり、ソーダ缶を触れずに動かすときなどに見られ、手をかざしている場面が多い。 　マーキュリー・ブラック の分析によると、ピュラは一度触れた金属体については望めば遠隔操作することができるという。その上”Best Day Ever ”のフードファイトでは、操作したいものは必ずしも触れる必要がないことが明らかになった。

　ピュラはこのセンブランスを密かに使うことを好むようで、攻撃をそらすことなどに使用することが多い。そのため、原理を知らない者からすれば、触れることができないと錯覚させることもある。しかし、”PvP”にてペニーの剣を退けるためセンブランスを大々的に使用してしまい、攻撃、防御両方に使用してきたことが明らかになった。

チームSSSN

サン・ウーコン

　サンのセンブランスは”Via Sun”と名付けられており、自身の分身を作ることができるものである。この分身は触れると爆発する能力も持つ。孫悟空の髪の毛から分身を作り出す能力が元になっていると思われる。ブレイクのセンブランスと似ており、主な違いは回避メインではなく攻撃メインで使う点だ。Volume 2では、実際に動かず、分身を動かして攻撃させた。センブランス使用中、サンの髪と尻尾は黄色く光る。”Of Runaways and Stowaways ”では、サンがグリムの注意を引こうとした時に、分身は本体の動作補助をした。

　初めてセンブランスを使用したのは”Painting the Town… ”で、ローマン が乗るアトラシアン・パラディン-290に1組の分身を作り攻撃させた時であったが、機械に対しては効果が薄いようであった。

チームCFVY

ヴェルヴェット・スカーラティーナ

　Volume 3 Director’s Commentaryで、ヴェルヴェットのセンブランスは他人の動きを真似ることが可能になるものだとされた。センブランスを使用する際は、ハードライト製の、写真を取ったことがある武器のコピーを作り出すことができる彼女の武器と共に使う。この組み合わせによって、作り出した武器を本来の持ち主のように効率的に使用することができる。しかし、作り出した武器は数発攻撃を繰り出すだけで消えてしまう。

　マイルズは前述のコメンタリーで、ヴェルヴェットは武器とセンブランスとの相性が非常に良い最初のキャラクターのうちの1人だと指摘した。

チームFNKI

フリント・コール

　フリントのセンブランスはキラー・カルテットという。自身の複製を作り出す能力であり、武器も複製されるので一斉に攻撃すると、単純に計算すると通常の4倍の威力を発揮することが可能になる。複製体はネットとネクタイの色が固有のものとなっていて、本体は青なのに対し、順に黄、緑、赤となっている。また、複製体は輪唱のように本体の行動から少し遅れて同じ行動をとる。そのため、それぞれが自らの意志で動くことができない。

　“Never Miss a Beat ”でのヴァイタル・フェスティバル、ダブルマッチにおいて、ワイスを屈服させるためにセンブランスを使用した。

シンダー陣営

ニオポリタン

　ニオは非常に精巧な幻覚を生み出せるようで、敵を騙すのに使用することが多い。これらの幻覚は空間に貼り付けるような感じで生み出され、衝撃で粉々になってしまうくらいの固さである。初めてこの様子が明らかになったのは”Painting the Town… ”で、ニオとローマンが近くのブルヘッドという飛行船に逃げるためにチームRWBYの注意をそらすため、ニオとローマンが映った幻覚の壁を生み出した。

　ニオが使用するテレポートは恐らくセンブランスと何かしらの関係があるか、幻覚を使ってそう見せかけているのかのどちらかであると思われる。Volume 3での彼女の変装や外見の根本的な部分の変更はセンブランスによるものである。”Heroes and Monsters ”でルビーと出くわした時、アトラス兵の変装から普段の衣装に戻った様子から言える。