- World of RemnantエピソードのGrimmについては次を参照:"Grimm"
グリム(Grimm)またはグリムの創造物(Creature of Grimm)はレムナントのいたる所に生息している人類の敵である。グリムはもともと闇の神によって創造されたものであるが、現在の主はセイラムである。
魂を持たない 「破壊の怪物("creatures of destruction")」とされ、オーラを使うことができない。また嫉妬や悲しみ、孤独、憎しみなどの負の感情に引き寄せられ、それらの感情の発生源に群がる習性をもつ。
古代の文化では悪い魂の取り憑いた動物、おそらくは苦しめられた動物の魂そのものだと信じられていた。
歴史[]
グリムは闇の神によって、双子の兄弟である光の神の創った生命を破壊するために創られた。やがて兄弟神は、創造と破壊の両方を可能にするもの、すなわち人類を創造することによってその確執に終止符を打った。しかし闇の神が人類創造に関与したにもかかわらずグリムはレムナントを徘徊し、人類を捕食するようになった。おとぎ話『The Two Brothers』によると、グリムの行動原理はより新しい同類に対する恨みであり、闇の神が人類の決断力と独創性を面白がってかつての創造物であるグリムを無視したことが原因である。そのためグリムは動物には興味がなく、人間やファウナス、そしてこの両種族の創造物を破壊することに執着しているらしい。
その動機はともかく、記録に残っている限りにおいて、グリムは人類と生存戦争を続けており、人類と人類が創造した物をすべて破壊しようとしてきた。のちに第一世代の人類を殲滅した闇の神は、グリムを生存させたままレムナントを去っている。しばらくして人類が復活した後、グリムは人類への攻撃を再開した。当初、人類は無力だったためそれは成功するかと思われた。しかし人類はダストの力を発見し、それの力を利用することでグリムを撃退するようになった。これにより人類は平和な時代を享受することができ、自分たちの王国を形成し繁栄した。しかしその時代はいつまでも続くものではなかった。
グリムはレムナントを自我なく徘徊しているように見えるが、セイラムという影の主がいる。彼女は忘れ去られてしまった古代からレムナントで生きている人物であり、グリムを制御したり創造したりできる存在である。
若いグリムは危険を顧みずに無謀で、人間を見るとすぐに攻撃してしまうが、中には何百年も生き延びてきた強力なグリムもいる。その間の人類との戦いから経験を得て、進化している。そのため彼らは無駄な争いで不必要な犠牲を出さないように自制心と忍耐力を発揮する。その代わりに、彼らは人類の境界線近くに留まり続け、決定的な攻撃の機会をうかがっている。このため、人類は平和の中であっても絶えず危険を身近に感じることとなっている。 バーソロミュー・ウーブレックは"Search and Destroy"で、ゴライアスのようないくつかの種が長年かけてどれだけ賢くなったかをルビー・ローズに語っている。
またグリムの存在は長い年月に渡って、王国間で行われてきた陸上での移動や通信を妨害してきた。そのため、大戦後に発明・製造されたCCTシステムによって、従来の不便な地上での通信は、高速無線通信可能な電子システムに置き換わった。
レムナントではグリムが優勢であるようで、人間とファウナスの活動はハンターによって守られる王国と呼ばれる4つの小さな居住地域といくつかの村に限られており、上手くいっているとは言い難い。また王国が領土の拡大を試みるもグリムの妨害によってたびたび失敗しており、逆にヴェイル王国のマウンテン・グレンのように街全体をグリムに奪われることさえある。
最近では、ホワイト・ファングが廃棄された地下鉄のトンネルを悪用し、ヴェイル市にグリムを侵入させて王国を滅ぼそうとしたことがあった。しかし複数のアカデミー生やハンター、アトラス軍がグリムの侵入を阻止あるいは侵入してきたグリムを殺害したため、この試みは失敗に終わった。
その後メルロー・インダストリーがグリムの実験を開始し、ドクター・メルローの作った特殊な血清によって変異体が作り出された。しかしこのグリムを使ってビーコン・アカデミーを攻撃する前に、チームRWBYやチームJNPRが彼の計画を阻止し、主要施設を破壊してしまった。
ヴェイルで開催された第40回ヴァイタル・フェスティバルのヴァイタル・フェスティバル・トーナメント最中、シンダー・フォールらの計画やそれに協力したホワイト・ファングによるビーコン襲撃に起因する人々の負の感情の高まりによって、グリムがヴェイルの主要都市とビーコン・アカデミーに引き寄せられた。ビーコン・アカデミーはビーコン陥落と呼ばれる事件で制圧されており、現在もグリムからのアカデミー奪還が試みられている。
のちにアーガスも、キャロライン・コルドヴィンの引き起こした負の感情の爆発によって、リヴァイアサンをはじめとする多くのグリムに襲撃されたが、ルビーたちやアーガスに駐留していたアトラス軍に撃退された。
かつて、ソリタスの寒冷な気候はグリムが生き延びるには寒すぎたため、どうにかグリムを食い止めていた。しかしセイラムがグリムの耐寒性を強化したため、グリムは寒さに適応し、アトラス王国に集結するようになった。
やがてグリムはマントルに攻め入ったが、マントルの戦いでアトラス軍とハンターたちによって撃退される。
セイラムはアトラスを守るハードライト・ダスト・シールドを破壊すると、モンストラをアトラス市のある浮遊島へ上陸させ、グリムの軍勢でアトラスに侵攻した。アトラスの戦いの間、アトラス軍はアカデミー生まで投入してグリムを阻止しようとしたが、グリムの軍勢が優位にあった。しかしモンストラが破壊されると、その爆発の余波でまだ多く残っていたグリムも道連れとなって消えてしまった。
生態[]
"The Next Step"にて、グリム誕生のシーンとしてベオウルフがセイラムの勢力圏にある黒い池の中から現れる様子が描かれた[1]。しかしながら多くの人類はグリムの起源について知らない。古代の文化では悪い魂の取り憑いた動物、おそらくは苦しめられた動物の魂そのものだと信じられていた。しかしクリープやグリフォンのような、実在の動物とは対応しないグリムの発見により、これらの説は否定されていった。新しいタイプのグリムが日々発見されるため、科学者たちは解答よりも多くの疑問を抱えた状態にある。
グリムは様々な形態や大きさのものが存在し、大きさは年齢に比例するようである。グリムは生物的多様性に富んでおり、個体によってその大きさや装甲、トゲなどは様々である。また、一部のグリムはより強力に進化する能力を持っており、例えばセンチネルは、早期に倒さなければ第一変異体のセニタウロスに進化してしまう[2]。グリムは魂のない唯一の生き物だと言われており、オーラを使用することはできないが、その分を強さと耐久性、凶暴性で補っている。 グリムの中には火や雷に憑依したり、使用したりするような特殊な能力を持つものもいる。グリムは悲しみや敵意、怒り、恐怖などのような負の感情に一般的に引き寄せられると言われており、人類が放棄して久しいにもかかわらず、これらの感情の痕跡が残っている場所に集まることさえある。
この習性により、襲撃された人間がパニックに陥ると、さらなるグリムたちを引き寄せることがある。 グリムは通常、群れや同じ種で構成されたより大きな集団を形成する。数時間から時に数か月ほど群れから離れることもあるが、レムナントの人々を狩り、人工物を破壊するという本能により必ず群れに戻る。
グリムは長く生きれば生きるほど大きくなり、ベオウルフのような種は普通の人間程度の大きさからアトラシアン・ナイト-200をも超える巨体へと成長する。年月を経ていないグリムは無鉄砲だが、戦いに勝ち残ったグリムは自らの経験から学ぶ傾向にある。時には数百年の歳月を要することもあるが、人類との戦いの中で蓄積された経験をもとに、個々のグリムが警戒心を持つようになることもある。
このような自衛本能のためにグリムは不必要な争いを避け、好機が訪れるのを待つことさえある。このことは、年経たグリムがこの知性のようなものを、殺戮という唯一の目的をより効果的に行う手段として活用していることを示している。しかしどれほど戦闘経験を積んだとしても、グリムだけでは戦場で集中攻撃を行うほどの知能はなく、実際にアトラス軍のような巨大な戦力を脅かすにはセイラムの指揮が必要である[3]。
グリムは一般的な動物に対しては敵意を示さず、縄張り争いのときにだけ衝突する。視界に入っただけでグリムが攻撃する種族は人間とファウナスのみである。また食事をしないことを選択でき、一般的に彼らは栄養を必要としないと信じられている。グリムは死ぬとその肉体が消滅するため、詳細な解剖学的研究や生物学的研究を行うことができない。このためスポーツとしてグリムを狩るハンターたちは、グリムの死体をトロフィーとして剥製にすることができず、複製を作ることで代用する。
また興味深いことに捕獲されたグリムは、捕獲者を殺したり逃げ出したりできない限り、大抵死亡してしまう。このことは、グリムを普通の手段で生かせないことを意味している。
かつてソリタスの寒冷な気候はグリムにとって過酷なものであった。しかし時が経つにつれてグリムはソリタスの寒さに適応し、今では最強のグリム種と言われるようになった[4]。最近の歴史では、グリムの環境適応速度があまりに速いため、この変化の原因を不思議に思う者も多い[5]。
皮膚の下、体の内部全体がグリムの液体と思わしきタール状の黒い物質で満たされており、倒されたグリムが煙のように消滅する際にそれが血のように飛び散る。
RWBY: Before the Dawnにおいて、グリムが負の感情だけでなく、魂そのものであるオーラにも引き寄せられることをシェイド・アカデミーの生徒たちが発見している。強力なオーラはグリムにとって誘蛾灯のようなもので、一般的により強力なオーラを感知すると、本来の標的を忘れてより強力なオーラの方へ引き寄せられてしまう。このことは、解放されていないオーラにのみ適用されるのか、解放されたか否かに関わらずあらゆるオーラに適用されるのか不明である。また動物もオーラを宿しているが、人間とファウナスのオーラにのみ反応する[6]。
グリムは純粋な破壊の創造物であるため、グリムにオーラを送ろうとしても、逆に送ろうとした側の者からオーラを排出しようとする[7]。
センブランスと同様、グリムにもさまざまな「タイプ」が存在する。ほとんどのタイプが不明だが、ガイストのような憑依型のグリムは、憑依した無生物や他の種族のグリム、人類の特性を利用する能力を持つ。他に確認が取れているものは、蛇のような姿をしたサーペント型のグリムだけである。ほとんどのグリムが単純な暴力を振るうだけだが、中にはアパシーのように精神攻撃を行えるものもいる。
生体実験[]
シンダーの左腕に見られるように、グリムの生体は人体に移植できるようだが、その手法はいまだ明らかになっていない。ただしこの移植を受けた者は、2つの致命的な弱点を抱えることになる。1つ目は、グリムが魂を持たないため、移植したグリムの部位をオーラで保護することができない点である。そして2つ目は、銀の眼に弱いというグリムの弱点を引き継いでしまう点である。その一方でこのような被移植者には、いくつかの能力が与えられている。例として、乙女の力を強制的に奪い自分のものとする能力が挙げられる。 またシンダーは、筋力を維持したまま数メートル伸ばせるという伸縮性を、移植されたグリムの左腕に得ている。
またグリムの部位が傷つくと、本物のグリムと同じように黒い煙を発する。さらにシンダーは、ルビーの銀の眼の力を浴びた時やレイヴン・ブランウェンとの決闘でガラスの破片が腕に刺さった時に、激しい痛みを感じていた。セイラムがグリムの体を魔法で改造できることから、同じような手段で移植組織を作り、宿主に移植しているものと思われる。またセイラムは、移植されたグリムの部位を、他のグリムと同じように制御することができる。この力を使うことで、セイラムはシンダーを罰するために、彼女に移植したグリムの腕に激しい痛みを与えている。
シュニー・ダスト・カンパニーは、ニコラス・シュニーの鎧の複製品にガイストの変異体を入れることで、アーマー・ガイガスを作り出すことに成功した。
変異体[]
遺伝子組み換えにより、通常より強力なアルファ・グリムでさえあらゆる面で凌駕するグリムが存在する。彼らは水晶のような骨棘を爆発させたり、波動を放ったりする力を持つ。他のグリムとは異なり、目や紋様、体内が赤色ではなく緑色になっている。その骨棘は、まるで輝くグリーン・クリスタルのように見える。今現在、発見されていた変異体はクリープとベオウルフ、そして1匹のデス・ストーカーだけである。
イメージ・ギャラリー[]
グリムの澱み[]
- メイン記事:グリムの液体
グリムは粘性のあるタール状の黒い物質から産み出される。闇の大地には、この物質の溜まった澱みがいたるところに存在する。ワイバーンやモンストラのような大型グリムは、この物質を生成してグリムを次々と発生させることができた。ワイバーンはクリープ、ベオウルフ、アーサを生み出すタール状の黒い滴を作ることができ、モンストラは非常に大きかったため、口からタール状の液体を波のように吐き出して、無限にグリムを生み出すことができた。
セイラムはモンストラを使ってソリタスの大地にグリムの川("A river of Grimm")を作り出し、それを利用してのちにアトラスを守るハードライト・シールドを突破した。
グリム一覧[]
主なグリム[]
名前 | 攻撃手段・能力 | 特徴 | |
---|---|---|---|
ベオウルフ | 突進、かぎ爪、牙 | 黒い毛皮、体に沿った骨のようなトゲ | |
アーサ | 突進、かぎ爪、牙 | 黒い毛皮、体に沿った骨のようなトゲ | |
ネヴァーモア | 体当たり、羽根を槍のように飛ばす | 黒い羽毛、かぎ爪の付いた翼、とさかの付いた骨のようなマスク | |
キング・タイチートゥ | 突進、牙、締め上げ | 骨のような頭部の装甲、赤の模様 | |
デス・ストーカー | ハサミ、毒針 | 黒い外骨格、胴体上部及び尾を覆う骨の装甲、輝く針 | |
ボーバタスク | 突進、牙、高速回転 | 骨の装甲、4つの目、大きな牙 | |
ゴライアス | 足を踏み鳴らす | 黒い肌、骨のようなトゲ、巨大な牙 | |
クリープ | 突進、牙、尾を振り回す | 頭を覆う骨の装甲、2本足 | |
ビートル | 力の強奪 | 甲虫、白い外骨格、赤い4つの目 | |
グリフォン | 突進、かぎ爪、牙 | 黒い毛皮と羽、骨のようなトゲ、鳥類の翼 | |
ワイバーン | 突進、グリム召喚 | 黒い肌、骨のようなトゲ、蝙蝠のような羽 | |
テンタクル | 触手、複数のキング・タイチートゥを1つに融合する | 小さな頭蓋骨のような体、多くの触手 | |
ベリンゲル | 掴みかかり、投擲、パンチ | 黒い肌、骨の装甲、焼けた肌 | |
ガイスト | 憑依 | 黒い肌、骨のようなトゲ、肋骨 | |
シアー | 遠距離通信、触手による突き刺しや締め上げ | 小さな球体の体、赤い触手、一つ目 | |
シー・フェイロン | 電撃のブレス、突進、突風、噛みつき | 黒い肌、鱗の付いた腹部、トゲの付いた脊柱、爪のある短い腕、背びれ、大きな赤い翼、つるひげ | |
ナックラヴィー | 伸縮する腕、金切り声、脚 | 皮膚の無い身体、馬の体と繋がった人型の上半身、蹄、角、爪の付いた細長い腕、背中の剣のようなスパイク | |
インプ
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インプ | 伸縮する腕、金切り声 | 人型、背中の剣のようなスパイク |
ホース
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ホース | 突進、踏みつけ、蹴り | 馬型、黒い煙、背中の剣のようなスパイク |
ランサー | 銛のような毒針、突進、針を飛ばす、かぎ爪 | ハチに似た身体、背面部の装甲 | |
シャドウ・ハンド | 鋭い爪、伸縮性、拘束、力の吸収 | 爪のある腕 | |
マンティコア | 爪、牙、棘、炎、突進 | 黒い毛皮と翼、背骨のような装甲、鳥の翼、棘のついた尾 | |
スフィンクス | 牙、尾、炎 | 黒い翼、蛇の尾、トサカのような骨の装甲 | |
アパシー | 気力を吸い取る雰囲気、叫び | 人型、長い腕、骨格標本のような全身 | |
リヴァイアサン | 炎のブレス、噛みつき、爪 | 水かきの付いた四肢、長い尾 | |
セイバー
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セイバー | 噛みつき、突進、かぎ爪 | 黒い体、サーベルタイガーのような体、凍結した皮膚 |
メゴライアス
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メゴライアス | 突進、踏みつけ | マンモスのような体、黒い毛、凍結した皮膚、巨大な牙 |
センチネル
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センチネル | 酸を吐き出す、噛みつき、罠にかける | 黒い皮膚、外骨格、節のある体、強い顎 |
テリクス
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テリクス | 突進、かぎ爪、接近戦 | 猛禽類のような体、翼 |
モンストラ | 接近戦、グリムを産み出す | 巨大クジラのような体、グラビティ・ダストのスパイク、赤い翼 | |
テンペスト
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テンペスト | 接近戦、嵐を発生させる | 黒いクラゲ、赤い触手 |
セニタウロス
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セニタウロス | 酸を吐き出す、剣状の腕 | 黒い肌、外骨格、酸の液嚢、剣状の腕 |
サルファー・フィッシュ
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サルファー・フィッシュ | 異常加熱、群れでの合体 | 昆虫のような体、1つ目、3本の尾 |
ラヴェジャー
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ラヴェジャー | 噛みつき、かぎ爪 | 黒い毛皮、骨のようなスパイク、赤い翼 |
スパイダー
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スパイダー | 幻覚 | クモのような体、3つ目 |
チル
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チル | 一時的な人間への憑依 | 真っ赤に光る目 |
ブラインド・ワーム
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ブラインド・ワーム | 噛みつき、頭突き、酸を吐き出す、呑み込み | 外骨格、巨大な口、酸の血 |
レイザーウィング
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レイザーウィング | 接近戦 | ハーピーのような体 |
その他のグリム[]
- ドロメドン(Dromedon) - ラクダのような姿をしたグリムで、酸性の毒を吐くことができる。RWBY: After the Fallにおいて、フォックス・アリステアがフェルスパーで1体のドロメドンと戦っている。また鎧のようなこぶを持っていることが示されている[8]。
- ドロメダリ(Dromedary) は、ヒトコブラクダの学名である。
- ジャッカロープ(Jackalope) - 巨大なウサギのような姿をしたグリムで、黒い毛皮、枝分かれした赤と白の角、力強い後脚を持つ。RWBY: After the Fallにおいて、ヴェルヴェット・スカーラティーナがフェルスパーで遭遇する。のちのRWBY: Before the Dawnで再び登場し、ココ・アデルとカーマイン・エスクラドスらが2体のジャッカロープに遭遇する。
- 現実のジャッカロープは、北アメリカの民間伝承における架空の生物で、アンテロープの角を持つジャックラビットとして述べられている。
- ジラフ(Ziraph) - キリンに似た3つの頭を持つグリムである。体はヒョウのように斑点で覆われており、その色は赤い。またそれぞれの頭には2本の角がある。身長は建物5階分に相当し、4本の脚にはカミソリのようなプレートを持ち、長い舌で人を巻き取って丸呑みする[9]。あまりに強力だったため、1体を倒すのにチームCFVY全員で当たる必要があった。
- オウル(Owl Grimm) - フクロウの姿をもつこのグリムのことは、RWBY: Fairy Tales of Remnantのおとぎ話『The Warrior in the Woods』で、グリンダ・グッドウィッチによって記されている。この物語の中で、3羽のフクロウが森で少年を襲い、戦士の女性に助けられる様子が描かれている。またRWBY: Fairy Talesの"The Warrior in the Woods"では、ネヴァーモアに似た姿で描かれているが、ネヴァーモアと同種かは不明である。
- ラガートダイル(Lagartodiles) - ラガートダイルはミストラルの沼地に住む恐るべきグリムであると、おとぎ話『The Hunter's Children』の中でバーソロミュー・ウーブレックが述べている。
- グレンデル(Grendels) - グレンデルはミストラルの沼地に住む獰猛なグリムであると、おとぎ話『The Hunter's Children』の中でウーブレックが述べている。
- ロング・タン(Long Tongues) - ロング・タンは、ミストラルの沼地に住む毒性のグリムであると、おとぎ話『The Hunter's Children』の中でウーブレックが述べている。
- ウィスプ(Whisps) - ウィスプは、ミストラルの沼地に住む狡猾なグリムであると、おとぎ話『The Hunter's Children』の中でウーブレックが述べている。
- ウィスプは、妖精や幽霊の民間信仰にある光の大気現象、ウィル・オ・ザ・ウィスプが元になっている可能性がある。
- カピヴァラ(Capivara) - カピヴァラはメナジェリーに生息するネズミに似た大型のグリムで、先端に白い棘のある長い黒い尾と鋭い細長い爪、人間の指ほどの大きさの2列の歯を持っている。RWBY: Roman Holidayにおいて、ミストラルの犯罪組織のボス、ポール・パロットがこのグリムを1匹街に運び込み、クラブの地下で彼の敵を処刑するために飼っている。ローマン・トーチウィックやメラニー・マラカイト、ミルシャ・マラカイトと戦った後、カピバラは逃げ出すとポールの部下の多くを殺した。その後スパイダーによって滅ぼされた[10]。
- "Capivara"の綴りは"Capybara"の古形であり、現実のカピバラ(Capybara)は南米に生息する世界最大の齧歯類である。
- ドレイク(Drake) - ほぼ外伝であるRWBY: Official Manga AnthologyのI Burnに描かれた、名前のない大型恐竜のような陸上のグリムである。まだ夢の中でしか登場していないため、現存する種なのか、ヤン・シャオロンが想像したものに過ぎないのかは不明である。
- バーサーカー(Berserker) - ほぼ外伝であるRWBY: Official Manga AnthologyのMirror Mirrorに描かれた、名前のない毛むくじゃらで二足歩行の哺乳類のグリムである。
- シアラポド(Theropod Grimm) - RWBY #6で登場した獣脚類で、恐竜のような姿をしたグリムである。このグリムはティラノサウルスに似た体と3つの頭を持つ。またその白い顔には角がある。メナジェリーで見られ、ブレイク・ベラドンナとサン・ウーコンによって素早く退治される。
- "Theropod"は獣脚類を表し、短い前肢を持つ肉食恐竜類である獣脚亜目の分類名が"Theropoda"である。
- コンバット・レディのグリム(Combat Ready Grimm) - RWBY: Combat Readyにおいてグリム・ポータルの対物カードとして登場する、リヴァイアサンの要素を持つ、ベオウルフに似た正体不明のグリムである。固有種なのかベオウルフを芸術的に表現したものなのかは不明である。
- DCコミックのグリム(DC Grimm) - RWBY #1でワイス・シュニーが召喚したベオウルフかアーサに似た正体不明のグリムで、固有種というよりはベオウルフやアーサの芸術的に表現したものの可能性がある。また識別可能な特徴があまりない別のグリムも登場したが、その召喚過程において同じような姿をしていた。
- パピー(Grimm Puppy) - ほぼ外伝であるRWBY: Official Manga AnthologyのShineに描かれた、狼やハスキーの子犬に似たグリムである。ベオウルフの幼体や子供を意味しているのか、それとも固有種なのかは不明である。
- マンティス - RWBY 氷雪帝国で登場した、カマキリの姿に似たグリムである。
- シー・ドラゴン - RWBY 氷雪帝国で登場した、ピラニアのような頭を持つ海龍に似たグリムである。固有種なのか、シー・フェイロンの芸術的表現なのかは不明である。
- ゴジラ - RWBY 氷雪帝国で登場した、巨大な恐竜に似ていたグリムである。ドレイクやリヴァイアサンとも類似しており、固有種というよりも、単にそれらの芸術的表現の可能性がある。
- スウィンドレン(Swindlens) - RWBY: Arrowfellに登場したグリムである。
著名な人物[]
闇の神[]
闇の神はレムナントを創造した二神の一人であり、グリムの創造者である。
闇の神は当初は、光の神の創造物に対抗するためにグリムを創造した。しかし両者はやがて和解し、共に人類を創造した。その後、ほとんどのグリムは闇の大地に留まるようになった。おとぎ話の『The Two Brothers』では、闇の神がグリムを大切に思っていたことが明らかにされており、光の神との停戦後、ほかならぬ闇の大地で自分の創造物であるグリムと一緒に暮らすことを選んでいる。
兄弟神がレムナントを去るとグリムは世界中を徘徊するようになり、やがてセイラムの支配下におさまった。
セイラム[]
セイラムはRWBYにおける最大の敵対者であり、グリムの現在の主である。そして兄弟神によって不死の呪いをかけられた、最初の人類唯一の生き残りである。闇の大地でグリムの澱みに飛び込み、人生を終わらせようとしたが、意図せず肉体が改変され、グリムを支配する力を手に入れた。
セイラムはグリムの生理機能に影響を与え、変異させることができ、さらにグリムの体の一部を人間の体に移植することができる。"Our Way"ではベリンゲルに翼を生やし、シンダーには失った左腕の代わりにシャドウ・ハンドを与えている。加えて"So That's How It Is"で見られたように、セイラムは命令することで複数のシャドウ・ハンドを召喚する能力も持っており、しばしばシャドウ・ハンドで相手を拘束している。
またグリムとのハイブリッドを作り出すことも可能であり、ファウナスを核としていた"ザ・ハウンド"は、銀の眼を持っていたことが明らかになっている。
メルロー[]
ドクター・メルローは、RWBY: Grimm Eclipseにおける敵対勢力の中心人物であり、いまでは廃墟と化しているマウンテン・グレンに拠点を置く研究開発企業、メルロー・インダストリーの創設者である。ある時期からメルローはグリムの創造物に対して不健全な執着に囚われるようになり、グリムが「優れた種("superior species")」であり、「抑制されない生の攻撃性と感情の欠如("unbridled raw aggression and lack of sentience")」のために「完璧な容器("the perfect vessel")」になると信じた。
メルローの会社であるメルロー・インダストリーは、レムナントの未来に不可欠な研究として、グリムの実験を開始した。しかし実験のための試料が不足し始めると、より多くの試料を得るためにグリムを街に引き寄せるようになり、悲惨な結果を招いた。マウンテン・グレン崩壊後、ドクター・メルローは死亡したと推定される。
しかしマウンテン・グレン崩壊後もメルローは生き残り、未知の場所にある離島に施設を移して新たな秘密研究所で実験を続け、緑色に光る血清を使ってグリムの変異体を作り出した。
数年後、チームRWBYがメルロー・インダストリーへと繋がる変異したグリムの調査を指揮し、最終的にメルローの離島へ到着する。チームRWBYはメルローの研究所に潜入し、そしてグリムの変異体を倒してしまう。メルローは研究所ごと自爆した。
ハイブリッド[]
名前 | 攻撃手段・能力 | 特徴 | |
---|---|---|---|
シンダー・フォール | 魔法、剣 | 人間、秋の乙女、シャドウ・ハンド | |
ザ・ハウンド | 知性、高い順応性 | ファウナス、犬型、目がない、翼 |
シンダー・フォール[]
シンダー・フォールはRWBYにおける主要な敵対者で、セイラム陣営のメンバーである。グリムの一種であるビートルによって乙女の力を奪っていたが、ルビーの銀の眼の力を浴びたことにより深刻なダメージを受け、左腕全てをシャドウ・ハンドに交換された。シャドウ・ハンドのおかげで斬撃を放ったり腕を伸ばしたり、また魔法の行使したり直接乙女の力を吸収したりすることができる。ただしその腕はグリムそのものであるため、人の体と違ってオーラを通すことができず、直接的なダメージを受けやすくなってしまっている。
ザ・ハウンド[]
ザ・ハウンドは、名もなき銀の眼を持つファウナスを用いてセイラムが作り出したグリムのハイブリッドである。他のどのグリムよりも賢く、必要に応じて姿を変えることができる。人型や獣型、翼をもつ飛行形態が知られている。また背中から3本目の腕を出すことも可能である。人類とのハイブリッドであるためか、銀の眼の力に対して多少の耐性を持つようであるが、結果としてダメージは受けている。ザ・ハウンドは、その特殊な生まれのためか、グリムの中で初めて人間の言葉を話すことができた。のちに殺されると、ファウナスの亡骸を残して死んでいった。
トリビア[]
設定[]
- 「グリムの創造物(Creature of Grimm)」の名前は、おそらくグリム兄弟(Brothers Grimm)か、その兄弟によって編纂されたドイツの有名な古典童話集『グリム童話』に由来しているかもしれない。とくに『赤ずきん』や『白雪姫』、『ヘンゼルとグレーテル』などは、RWBYの登場人物のモチーフとなっている物語として有名である。
- "The Lost Fable"において、グリムのことをジンが「兄弟神のグリム(The Brother's Grimm)」と呼んでおり、これは「グリム兄弟(The Brothers Grimm)」と同じ発音である。きわめて強い暗示だと考えられる。
- グリム(Grimm)という単語は、ドイツ語で怒りや憤怒、凶暴さ、残忍さなどを意味する。また英語で残忍さを意味するものとして、'Grim'という綴りの似た単語がある。
- レムナントでは地域によって異なる種類のグリムが存在する。スタッフは、グリムが発見された場所に基づいてテーマを設定するようにしていると述べている[11]。極寒の大陸であるソリタスでは、先史時代や氷河期の動物をモチーフにしたグリムが登場している[12]。
- Miles Lunaはグリムをポケモンに例えて、どの地域にも出現する種もいれば、特定の地域にしか出現しない種もいると述べている[13]。
- DVD第3巻のディレクターズ・コメンタリーによると、ワイバーンがグリムを生み出す能力は、グリムの創造を予見させる意図であったらしい[14]。その後グリムが、闇の大地に存在する黒いグリムの澱みから生まれるシーンが描かれている。
- グリムの初期案は、レムナントの人々がグリム・オイルを瓶に詰め、ブラック・マーケットで売るというものであった。この要素は、動物に使って「グリム化」させたり、2つの生物に使って「ハイブリッド」を作ったりすることに流用された[15]。
- 廃案となったVolume 1の構想ではあるが、ビーコン・アカデミー新入生試験で、コサック・アルベインとフェネック・アルベインがグリムの液体を使って、グリムを召喚することが考えられていた[16]。
- 2020年5月21日、Rooster Teeth ProductionsとFull Sail Universityは、Volume 8の制作に向けたコラボレーションを発表した。Full Sail Universityの学生や卒業生には、Volume 8に登場するグリムをデザインする機会が独占的に与えられた。6月21日に終了したこのコンテストの作品から、RWBYのアニメーションチームが上位5作を選考し、Rooster Teethのファンが7月7日から7月12日までに投票する予定であった[17]。しかし選考に残ったデザインをめぐって論争が起きたため、Rooster Teethはそのグリムのデザインへの懸念に対する声明を発表し、デザインの作者が無神経なことを意図したわけではないことを明らかにした。さらに投票を打ち切り、代わりに番組内の審査員によって受賞者を決定することにした。そしてその作者と、その間にコンテストに落選した別の作者の両名へ補償を行った[18]。最終的にサルファー・フィッシュが選ばれ、Volume 8に登場することとなった[19]。サルファー・フィッシュの初登場は"War"である。
- グリムの声はすべて、ヘイゼル・ライナートの声優であるWilliam Orendorffが担当している[20]。
- グリムは、アニメ『進撃の巨人』の巨人といくつかの点で似ている。
- グリムと巨人はともに人類の文明圏外の荒れ地に住んでおり、ときどき食料を求めて当該文明圏を攻撃する。
- グリムも巨人も食料を必要としないが、どちらも人間を食べることを選択する。
- グリムも巨人も、形や大きさが大きく異なる。
- グリムと巨人の死骸は、死の直後に霧散する。
- グリムも巨人も、人類にとって大きな脅威であるため、両者を殺すために特別に訓練された戦士のチーム(ハンターと調査兵団)がそれぞれ存在する。
生態[]
- グリムが傷ついたり死んだりすると、人間やファウナスが出血するのと同じように煙を出す。これはRWBY: World of Remnantの"Grimm"でも霧散すると語られている。また殺された場合、死骸は残らない。
- ただしザ・ハウンドだけは例外であり、殺された後も、核となったファウナスの肉体は残った。
- ザ・ハウンドは、その誕生の特殊性から、言葉を話すことができる唯一グリムであった。
- 漫画版では、アーマー・ガイガスは数種類のグリムを組み合わせて作り出された、憑依タイプのグリムとして描かれている。
ストーリー[]
- グリムの挙動を熟知している者は、「常に100%暴力的である("being 100% aggro all the time")」のではなく、ザ・ハウンドのように「ゆっくりと廊下を徘徊し、円を描くように進む」光景を見ると、強い不安に襲われる[21]。
- ザ・ハウンドがより知的な行動をとっていたことや常に暴力を優先しなかったことは、単なるグリムではないことを示唆している[22]。
その他[]
- グリムの色は、赤と白、黒、少しの黄色で構成されている[23]。
- これらの色はチームRWBYの四人の色でもある。
- グリムのこのテーマ・カラーは、Volume 7とVolume 8で拡張され、セニタウロスの腹部の嚢と吐き出された酸、またセンチネルの酸性の血が緑色だった。アトラス編で中心となったペニー・ポレンディーナのテーマ・カラーを適応したのかもしれない。
- RWBY: Grimm Eclipseでは、緑色に輝く部位を持つ変異したグリムが登場した。
- RWBY: The Grimm Campaignで登場したマジック・ネックレスは、グリムの眼を青く発光させた。
- 黄色と赤色が混ざってオレンジ色になることもある。
- 通常は白いグリムの骨のトゲだが、ソリタスのグリムのものはわずかに青み掛かっている。
- モンストラはグラビティ・ダストの関係で、デザインに紫色が使われている。
- RWBY×Justice Leagueでは、黒色と黄色、緑、青、紫の5色を持つ催眠状態のグリムが紹介されている。
- ホワイト・ファングのメンバーは、人間がファウナスを化物としてみなしたため、そのシンボルとしてグリム・マスクをつけている。
- RWBY: Grimm Eclipseのタイトルは、ゲーム内の通常敵がグリムであるために、そう名づけられた。
- シリーズ本編に植物をモチーフにしたグリムが登場するかは今のところ不明であるが、RWBY 氷雪帝国においては植物に似たグリムのナイトメアが登場している。
参考文献・脚注[]
- ↑ Rooster Teeth Twitter
- ↑ RWBY Volume 8 Directors' and Writers' Commentary chapter 8
- ↑ RWBY Volume 8 Directors' and Writers' Commentary chapter 7
- ↑ RWBY: Amity Arena Megoliath card bio
- ↑ RWBY: Amity Arena Ice Sabyr card bio
- ↑ RWBY: Before the Dawn Chapter 21
- ↑ RWBY: Before the Dawn Chapter 21
- ↑ RWBY: Before the Dawn Chapter 5
- ↑ RWBY: After the Fall
- ↑ RWBY: Roman Holiday Chapter 4: Cheat
- ↑ RWBY Volume 7 Crew Commentary - Chapter 1
- ↑ RTX 2019 RWBY Panel
- ↑ RWBY Volume 7 Crew Commentary - Chapter 1
- ↑ Volume 3 DVD Directors' Commentary Chapter 10
- ↑ The World of RWBY: The Official Companion (Grimm page)
- ↑ Volume 5 Directors Commentary
- ↑ Full Sail University website
- ↑ RoosterTeeth Blog
- ↑ RoosterTeeth Animation YouTube
- ↑ IMDB
- ↑ RWBY Volume 8 Directors' and Writers' Commentary Chapter 8
- ↑ RWBY Volume 8 Directors' and Writers' Commentary Chapter 8
- ↑ Volume 1 Directors Commentary "The Emerald Forest"