エメラルド・サストライ(Emerald Sustrai)は元々、シンダー・フォールの部下の一人で、マーキュリー・ブラックの元相棒。使用する武器は2丁の鎖鎌にリボルバー銃が付いたシーフズ・レスピット。
"Risk"にて、セイラム陣営から抜けてルビー・ローズ達のグループに加わることを決心した。
外見・衣装[]
エメラルドは褐色の肌と暗赤色の眼を持った若い女性である。明るいミントグリーンの髪をフリンジにしており、さらに後ろ側には左右にそれぞれ長い髪の房が伸びている。
初期(Volume 1~6)[]
トップスは白とオリーブ色の布が組み合わされたクロップトップで、背中には彼女のエンブレムが描かれている。このエンブレムはカットされた宝石のような形であり彼女の名前と関連している。ボトムスとして七分丈の白のパンツと茶色のチャップスを穿いており、そこにベルトを二重に巻いて武器とポーチを下げている。靴はストラップの付いたハイヒールのパンプスである。
左腕には、二の腕の3本の金属のアームバンドと、手首に数珠のようなアクセサリーを付けている。また、両手の甲にはオリーブ色のカバーを付けている。
"Black and White"で初登場したときは現在とは衣装が一部異なっている。この時は白の短いパンツを穿いており、ベルトには大きなコインのようなプレートが3つ付いている。この内、左右のプレートにはそれぞれ4本のチェーンが繋がっており後方へ伸びている。また、中央のプレートからは腰布のようなものが下に伸びている。
制服(ヘイヴン)[]
一部のシーンではエメラルドはヘイヴン・アカデミーの制服を着ている。ジャケットはダークグレーの古風なデザインで、長いカラーと白い腕章が特徴的である。スカートは黒とグレーのチェックのデザインになっている。
ダンスパーティ[]
ビーコン・アカデミーのダンスパーティでは、エメラルドはオリーブ色の、ホルターネックの背中が大きく開いたドレスを着ており、腰には黒いサッシュを巻いている。
回想シーン[]
"Beginning of the End"の回想シーンでは、エメラルドは現在よりも細身であり、また髪をポニーテールにしている。
トップスはオリーブ色のシンプルなクロップトップであり、ボトムスは現在のものと近いがパンツはダークグリーンのものを穿いている。靴は茶色のフラットシューズで、手の甲には白いカバーを付けている。
アトラスでの衣装(Volume 8~)[]
Volume 8にて、エメラルドは衣装を一新した。上半身はミントグリーンのクロップトップの上に、キルティング生地のダブルボタンの白いジャケットを着ている。ジャケットの裏地は黒く、襟とまくった袖からそれが見える。また、背中には彼女のエンブレムがデザインされている。下半身には白のスキニージーンズの上に茶色の革ズボンを履いている。この革ズボンは裏地とトリミング部分がミントグリーンで、先端は分かれて広がっておりストラップで留められている。腰周りには二重にベルトを巻いており、革ズボンを吊った形になっている。ベルトの後ろ側には以前と同じく武器のホルスターを下げている。靴はつま先にメタルプレートの補強が入った茶色のショートブーツである。また、赤色の宝石が付いたペンダントをしており、右手首には数珠のようなブレスレットをしている。
イメージギャラリー[]
人物[]
彼女は一見すると親しみやすく優しい性格のように見えるが、これは彼女の負の側面を隠すためのものである。総合的には、彼女は社交的で機転が利くが、やや短気な性格であると言える。また彼女には子供っぽい一面もあり、ローマン・トーチウィックにメモを盗まれた後に、仕返しとして彼のライターを盗み、舌を出して見せるということもあった。
"Best Day Ever"でタクソンと本について話したときは、彼女はいくつかの本のタイトルを挙げており、読書好きであるように見受けられる。また、彼女はヴェイルのような高いビルと多様な文化のある都市が好きだと述べている。
彼女は周囲の者からの信頼を得るためしばしば友好的な素振りを見せている。"Best Day Ever"ではその友好的な振る舞いを見せながら店主から財布を盗み、タクソンを殺す前にもしばらく気さくに会話をしていた。"Extracurricular"ではルビー・ローズが彼女の方に振り向いたときは愛想笑いを見せ、ルビーがまた前を向いたところですぐに呆れた表情を見せていた。"Round One"ではチームRWBYとフレンドリーに会話をしていたが、その後で彼女達の明るく前向きな態度が気に入らないと漏らしていた。
エメラルドはシンダーに対して強い忠誠心を抱いており、彼女のために尽くしたいと考えているようである。指示無くタクソンを殺害したのもシンダーに気に入られようとした結果である。エメラルド自身の言葉によると、彼女は親身になってくれたシンダーの事を家族のように感じており、セイラムではなくシンダー個人に従っているとのことである。"The Next Step"以降、シンダーが声を出せなくなった時期は彼女の言葉の代弁者にもなっている。"Haven's Fate"では劣勢の中でもシンダーが戻ってきて形勢逆転することを信じていたが、彼女が戻ってこない事を知った後はパニックを起こし自身のセンブランスを暴走させてしまった。
タクソンを殺した事を話す様子を見る限り、彼女は殺人について罪悪感などは持っていないようで、その事を元にマーキュリーと共にジョークを飛ばす程であった。 しかしながら"Battle of Beacon"では別の面を見せている。彼女は街全体が破壊されていく様子に圧倒され、心を痛めているかのような表情を見せた上で"almost sad"(ほぼ悲しいに近い)という言葉を残している。
シンダーがヘイヴン・アカデミーでの任務に失敗してセイラムの下から離れている間、エメラルドは自分の置かれた状況に疑問を感じるようになった。そして"Midnight"でシンダーに冷たい態度を取られたことや、"War"でセイラムの目的についてオズピンが話すところを立ち聞きしたことで彼女の考えは揺らいでいくことになる。
"Witch"ではエメラルドとヘイゼル・ライナートは、オスカー・パインが真実を言っているということを確認したあと、彼のモンストラからの脱出を手伝っている。脱出への時間を稼ぐためにヘイゼルがセイラムと戦って死んだあと、エメラルドは彼の死に対して深い悲しみの表情を見せていた。
"Ultimatum"にてヤン達のチームに捕虜のような形でついていく際、エメラルドは今までの行いに対して弁解することも反省することもなく、その場で別れて二度と会わないことを提案していた。しかし地下鉄の駅に避難するアトラスの市民達、とりわけ子供達を見た際には哀れみを感じているかのような表情を見せ、その後はヤンに銃口を向けられていないにもかかわらず彼女達に付いていった。
"Risk"にて、エメラルドはルビー達を嫌っていた過去を捨て去り、マントルやアトラスの人々を救うために彼女達に協力することを決めた。
技能と力量[]
エメラルドは特筆すべき反射神経を備えており、タクソンの飛び掛かり攻撃やココの銃撃を容易にかわしている。また、"The More the Merrier"ではルビーがシンダーに飛び掛かろうとした直後に鎖で捕らえて地面に叩きつけている。
彼女が誰かと接近戦をしたところは描写されていないが、"The More the Merrier"や"Vault of the Spring Maiden"ではルビーをシンダーに近寄らせず、一時的に優位に立つほどの強さを見せている。
エメラルドはマーキュリーから盗みの達人と呼ばれており、スリの技術に非常に長けている。ローマンからライターを盗んで見せたことからもその事が分かる。また、ココ・アデルとの戦いで見せたように彼女は相手の死角から音もなく忍び寄って攻撃する技術も持っている。
武器[]
- メイン記事:シーフズ・レスピット
エメラルドはシーフズ・レスピットという名の、2丁拳銃と鎖鎌の二つの形態を取る武器を使っている。彼女はこの武器を完璧に使いこなしており、鎌を使った戦闘術と射撃技術の両方とも高いレベルにあることを示している。"Bleach"では彼女はこの武器を使って複数のグリムを一人で倒している。また、彼女は鎖を使い遠距離の相手を捕らえて引き寄せることもできる。
センブランス[]
- メイン記事:ハルシネーション
エメラルドのハルシネーションは個人単位で作用する精神的な幻覚である[1]。対象の五感に介入してその場に存在しないものを見せたり聞かせたりすることが出来る能力であり、不特定多数が見ることの出来る幻覚を作り出す能力ではない。
この能力はヴァイタル・フェスティバルにて人々の怒りと不信感を煽るというシンダーの計画において大きな役割を果たしている。ヤン・シャオロンがマーキュリーに勝利したあと、エメラルドはヤンに、マーキュリーが彼女に攻撃を仕掛ける幻影を見せ、反撃するように仕向けた。しかし実際にはマーキュリーは攻撃を仕掛けておらず、観衆が見たのは、ヤンが無抵抗のマーキュリーを攻撃して彼の足を折るという光景であった。これによって生じた人々の怒りやショック、不信感にマウンテン・グレンのグリム達が反応し、彼等はヴェイルへと向かうことになる。その後、エメラルドはピュラ・ニコスにも能力を使い、その結果彼女にペニー・ポレンディーナを破壊させている。これによってシンダーがアトラスを非難するきっかけを作った。
シンダーがエメラルドを仲間に引き入れたのも彼女の能力が理由である。エメラルドはシンダーと出会う直前にセンブランスを使って宝石商の目の前で指輪を盗んでいる。シンダーはその異様な光景を目撃しエメラルドの能力に興味を持った。
この能力の対象は生体のみに限定されない。"Amity"では人工の眼を持つマリーア・カラヴェラやアンドロイドであるペニー・ポレンディーナさえもこの能力で幻覚を見せられている。しかしながらペニーの熱感知センサーには影響を与えることができず、本物のシンダー・フォールが見破られてしまった。
当初はこの能力の対象は基本的に一人であり、同時に二人以上に能力を使うのは彼女自身に相当な負荷がかかっていた。実際にマーキュリーの義足を隠すために二人の救急隊員に同時に能力を使ったときには、その後彼女は頭痛に苦しんでいた。また、作り出せる幻影も基本的には小さな物や、既にあるものの複製に限られるようである。"Haven's Fate"でパニックに陥った際にはこれらの制限を超えて9人に対して巨大なセイラムの像を見せたが、彼女は数秒で気を失ってしまった。
経験を積んだことでこの能力は大きく強化され、"War"では彼女はグリムのシアーに対してもこの能力を使用して身を隠している。また、"Witch"では少なくとも3人に対して同時に能力を使えることが示されており、セイラムでさえもこの能力を見破ることができなかった。さらに、エメラルドはこの能力で近くにいる人間を知覚でき、その人間が強いか弱いかもある程度分かるようである。
このセンブランスの弱点として、能力を使うときはその事に専念する必要があるため、戦いながら能力を使うことは出来ないようである。
トリビア[]
- エメラルドは緑色をした宝石である。
- バスク語で"サストライ"(Sustrai)は'S'を大文字で書いた場合は「盗賊」の意味がある。また、小文字(sustrai)の場合は「根底」という意味がある[2]。
- 2019年のホラー映画、ドクター・スリープにはRWBY及びエメラルドに関連した要素が数多く登場する。Kyliegh Curranが演じる、超能力を持った少女アブラの部屋は、RWBYに関連したポスターやフィギュアが飾られており特にエメラルドのものが目立っている。
- ナイトスタンドの傍らにエメラルドのフィギュアが置かれている。
- RWBY: Combat Readyのエメラルドのポスターが確認できる。
- 部屋の壁に3枚のポスターが貼られている。
- アブラとローズが対峙する場面で、アブラの髪が緑色のボブカットになるシーンがある。これはKyliegh Curranの最も好きなキャラクターであるエメラルドのオマージュである[3]。
参考[]
- ↑ Volume 3 Director's Commentary
- ↑ WordHippo
- ↑ Inverse.com Doctor Sleep RWBY article