アーサー・ワッツ(Dr. Arthur Watts)は"The Next Step"で初登場した、セイラムの部下の一人である。
彼はパラディン事件で自身の死を偽造したアトラスの元科学者である。武器はリボルバーと指にはめている8つのリングである。
外見・衣装[]
ワッツはスリムな体格で、少し日焼けした中年の男性である。黒と灰色の短い髪形で、立派な口ひげを蓄えている。目の色は緑である。初期の衣装は黄色で縁取られたグレーのオーバーコートと同色のパンツ、黄色のシャツ、黒のネクタイである。靴はコードバン色の革靴で、両手には同じ色のフィンガーレスグローブを付けている。
アトラスに現れた際はファーで覆われたフード付きの、紫とピンクのコートを着ていた。また、両手の親指以外の指にリング型のデバイスを付けており、これによってアトラスの様々な機器にハッキングしている。
ジェームズ・アイアンウッドとの戦いでは、地面に叩きつけられて引きずられたことで顔の右側に擦過傷ができている。また、その後捕虜になったあとは右目の周りにあざが残っている。
過去[]
"Worst Case Scenario"では、ワッツがかつてピエトロ・ポレンディーナの同僚だったことが明らかになった。当時の写真では、彼は白衣の下に黄色いタートルネックのセーターを着ており、ライトグレーのパンツと黒い靴を履いている。また、髪は黒一色で口ひげは現在よりもボリュームが少ない。
イメージギャラリー[]
人物[]
セイラムの部下の中では格式高く洗練された口調で話すが、傲慢で他者を見下す態度をとる傾向があり、それは仲間に対しても同様である。ただ、他人の手柄を横取りするような事は無く、春の乙女を見つけたことをセイラムから褒められたときには、それがクロウ・ブランウェンのおかげであることを正直に話していた。
ワッツは他者の失敗に厳しく、シンダー・フォールがルビー・ローズに敗れたあとは、事あるごとに彼女を批判し見下す発言をしている。また、彼女の部下であるマーキュリー・ブラックとエメラルド・サストライのことも見下しているようである。このように仲間に対して悪意を向けることをセイラムからたしなめられたあとは、彼女の前では発言を控えるようになった。しかし彼女がいない場では態度を変えず、他者に対して、失敗の原因やどうすれば改善できるのかを高圧的に講釈することもあった。ワッツは自らの発言を後悔することは一切無かったが、結局はこの態度のせいでアイアンウッドやシンダーからの大きなしっぺ返しを受けることになった。
ワッツは分野を問わず様々なことに興味を持ち、研究している。レオナルド・ライオンハートが春の乙女についてセイラムに報告する際も、ワッツはシアーに興味を示していた。彼は研究に時間を割く一方で、自身のセンブランスには興味がなかったため習得することもなかった。
ワッツはアトラスでの研究員の職を追われる前から利己的かつ戦略的な考えを持っていたようで、自身の利益と将来の有用性を見越して、マントルのセキュリティネットワークに侵入経路(バックドア)を仕掛けていた。また、彼は執念深い性格であり、アイアンウッドが彼の知性を認めずピエトロ・ポレンディーナの方を重用したことを根に持っている。セイラムの勢力に与したのもその復讐を果たすためだったようである。この事から分かるように彼は非常にプライドが高い。そのため、彼はピエトロの功績であるアンドロイドへの魂の遷移について評価しておらず、ペニー・ポレンディーナの認知能力も取るに足りないものと考えている[1]。
シンダーやティリアン・キャロウズほどではないが、ワッツにも残酷な一面がある。アミティ・コミュニケーション・タワーでのアイアンウッドとの戦いで彼の生身の左腕を鉄骨に括り付けたときに満足していたことや、アトラス・ボムを遠隔から起動したときにニヤリと笑ったことがそれを表している。
ワッツは抜け目ない性格で、アイアンウッドのもとで捕虜としてペニーへのハッキングを行っていたときも、上手くいかなかったように見せかけてアイアンウッドの指示通りではなくペニーに別の指令を送っていた。また、彼はアイアンウッドを挑発してスクロールを自身に投げつけるように仕向け、それを密かに拾ってセイラムへの連絡を果たしている。
"Ultimatum"では、ワッツが死を恐れていないような様子が見られた。彼はシンダーの手によって高層ビルの屋上から落とされそうになりながらも全く臆することなく、直接的な手段に頼るシンダーの欠点を説いてみせた。ただ、彼は本当に死を恐れていなかったわけではないようで、"The Final Word"にて炎上する指令室に閉じ込められたときには、脱出しようともがき叫んでいた。
技能と力量[]
ワッツは優れた科学者で、彼の知識はコンピューター工学、機械工学、解剖学、セキュリティシステムなど多岐に渡る。また、科学分野に留まらず諜報、ゲリラ戦術などにも精通している。彼はセイラムからも高い評価を得ているようで、しばしば「ドクター」という称号をもって呼ばれている。
"Gravity"でワッツが見せた戦い方は緻密に計算されたもので、彼は自分と相手両方が放った銃弾の数を数えていた。また、彼は年の割には身軽で、指輪で作り出したハードライト・ダストの足場を軽快に飛び移って長距離を移動していた。彼はこのハードライト・ダストで罠を作り出すこともでき、この罠で左腕を拘束されたアイアンウッドは力づくで脱出したため腕が焼けただれてしまった。さらにワッツは近接戦もある程度こなしており、アイアンウッドを相手にしばらく互角に立ち回っていた。
しかしながら、彼は耐久力がある方ではなくアイアンウッドから数発の攻撃を受けただけでダウンしてしまった。また、彼は自身のセンブランスを発見することはできなかった[2]。
プログラミング&ハッキング[]
セイラム陣営におけるワッツの主な役割はターゲットとなるシステムへのハッキングとデータ改ざんである。ビーコン陥落において大きな役割を果たしたブラック・クイーン・ウィルスはワッツが作成したもので、これによってシンダーは通信システムへの侵入とヴァイタル・フェスティバル・トーナメントの操作を行うことが可能になった。また、このウィルスによってアトラスのロボット兵器も操作され、ハンターや市民達に襲いかかるようになった。なお、シンダーがスクロールでウィルスを扱うときにはワッツのエンブレムが表示されている。アトラスでも彼はペニーに指令を送るウィルスを作成しており、類まれな技術を持っていることが示されている。
"A New Approach"では、ワッツは、マントルで使われているシステムは自身が作ったということを述べており、"As Above, So Below"ではアイアンウッドもセキュリティネットワークの全体を設計したのがワッツであることを認めている。彼はシステムに仕掛けておいたバックドアを使い、マントル中の監視カメラや交通システムに介入している。
ワッツは、持ち前の知識と両手に4つずつ付けた指輪、そして複数のスクロールを駆使してアトラスのセキュリティシステムに侵入することができる。"A Night Off"では、彼が複数のスクロールを繋げ、大きな処理能力を持つ1つのマシンとして使用している様子が描写された。このようにスクロールを利用することで、彼は拠点を素早く移動できるようにしていた。また、彼はマントルの市民殺害の罪をペニーに着せるため、ティリアンが市民を殺す映像とペニーがティリアンと戦う映像を利用して精巧なフェイク動画を作り上げている。さらに、ワッツはジャック・シュニーの権限を利用してマントル中の都市暖房を停止し、グリム侵入のきっかけを作っている。
ワッツが開発したものには、周囲のダスト制御の技術やアトラシアン・パラディン-290のプロトタイプなども含まれている[3]。
義肢製作[]
ティリアンの尾の先端がルビーによって切断されたあと、ワッツはその代わりとなる新たな毒針を作っている。この事から彼が生体工学にも精通していることが分かる。新たな毒針は本来の尾を収納しており以前の通り毒液も出すことができる。また、金属製のようだが伸縮性や柔軟性も以前と変わらないようである。
武器[]
- メイン記事:ワッツのリボルバー
- メイン記事:ワッツの指輪
ワッツの武器は豪華な装飾が入った金色の拳銃で、20発装填可能なダブル・バレルのリボルバーである[4]。
両手に4つずつ身に付けた指輪は戦闘にも活用することができる。ワッツはこの指輪でハードライト・ダストの盾を瞬時に作り出して銃弾を防いだり、空中に足場を作り出して移動に活用していた。この盾はデュー・プロセスの銃弾を数発防ぐほどの耐久力がある。また、この指輪を罠のように使うこともできる。4つの指輪を任意の場所にマグネットのように貼り付け、誰かがその指輪の間に入ったときに起動することでハードライト・ダストによって捕らえることができる。捕らえられたものは容易には脱出することはできず、無理に抜け出そうとするとハードライト・ダストで皮膚が焼かれて重傷を負うことになる。
トリビア[]
- ワッツはシャーロック・ホームズシリーズのジョン・H・ワトスンが、シャーロック・ホームズではなくジェームズ・モリアーティ側に付いていた場合というテーマで作られたキャラクターである[5]。アーサー(Arthur)という名前はシャーロック・ホームズシリーズの作者であるアーサー・コナン・ドイルから取られたものだと考えられる。
- アーサー(Arthur)という名前はローマの氏族名である"Artorius"に由来し、さらにはケルト語で「熊の息子」、「戦士の王」の意味があるArto-rīg-ios/Artorījosから来ている。
- ウェールズ語で熊を意味する"Arth"にも関連するため、熊の茶色を連想させる色であると言える。
- ワッツ(Watts)は電力の単位であるワット(watt)の複数形である。そのため稲妻の黄色、青、白などの色を連想させる名前であると言える。
- 作中ではワッツが関連したものに同じ"W"の文字のシンボルが見られる。確認できるのは、シンダーがヴァイタル・フェスティバルのトーナメントを操作するときのスクロールの画面、"Welcome to Haven"でワッツがライオンハートと話すときのホログラム、"Amity"でワッツがフローティング・アレイに仕込んだマイクロチップなどである。
- ワッツはローマン・トーチウィック、マーキュリー・ブラックと同じくセンブランス無しで戦うことのできるキャラクターである。Miles Lunaによると、ワッツがセンブランスを持たない理由は、単純に自身のセンブランスを見つけることに興味が無かったためである。
- セイラムの部下の中で、ワッツはチームRWBYのメンバーと対面することが無かった唯一の人物である。
参考[]
- ↑ RWBY Volume 8 Directors' and Writers' Commentary Chapter 5
- ↑ RWBY Panel | RTX 2020
- ↑ RWBY: Amity Arena character bio
- ↑ Kerry Shawcross' Tweet
- ↑ The World of RWBY: The Official Companion