アトラシアン・パラディン-290(Atlesian Paladin-290[1])は、アトラス王国の優秀な科学者がシュニー・ダスト・カンパニーと共同で開発した巨大な機甲化バトルスーツである。
"A Minor Hiccup"で、プロトタイプがジェームズ・アイアンウッドに紹介されたのが初登場である。量産型と発展型はビーコンの戦いで使用された。
RWBY: Amity Arenaにおいて、パラディンの発明者がアーサー・ワッツであることが明かされている[2]。
アトラス王国滅亡時に残っていたアトラシアン・パラディンは、すべて壊れた蓋然性が高い。
外見[]
試作型[]
アトラシアン・パラディン-290は、その武装はともかく、高速道路の車線全体を占有できるほど巨大な機体である。内部には1人のパイロットを収容し、安全を守るコックピットがあり、さらにコクピット内にはパラディンの状態を監視したり、周囲の環境を調査するためのホログラム・ディスプレイがいくつか用意されている。
パラディンには、急速充填と速射が可能な腕部搭載型ダストキャノンと背部搭載型10連ロケットランチャー、ダストキャノンに付随する対人用のツインバレルオートキャノンなどが少なくとも2基装備されている。各ダストキャノンの下には折り畳み式の腕部があり、近接格闘時にはこれを展開して大きな拳を形成するが、これはゴライアスサイズの大型グリムへの対処のためだと考えられる。
ホワイト・ファングが使用していたいくつかのパラディンは、少なくとも銃の片側に組織のエンブレムが描かれていた。これらはローマン・トーチウィックによって盗まれたもので、ヴェイルのホワイト・ファングに再分配した。
量産型[]
"Battle of Beacon"に登場するアトラシアン・パラディン-290は、白と黒で全体が配色されており、両側のキャノンにはアトラスのエンブレムが描かれている。これはアトラスが量産に成功した、プロトタイプではない機体の完成品のカラーリングであると推測される。
発展型[]
"Heroes and Monsters"では別のアトラシアン・パラディン-290も見られる。量産型とは異なり、より頑丈なフレームを持ち、頭部には大きな虫の甲羅のようなヘルメットを装着している。また脚部や肩部、腿部に装甲板が追加されていた。
この新しいデザインがアトラシアン・パラディン-290の完成形なのか、あるいはその発展形であると考えられる。
アトラシアン・パラディン-06[]
- メイン記事:AP-06
"Amity"ではAP-06と呼ばれる産業用のパラディンが登場した。やや大型で非武装、アトラスでの建設や重量物の運搬に使用される。それにもかかわらず非常に力強く耐久性も優れており、マンタの直撃をその体で受け止め、そのまま両腕で抱きとどめることができた。
歴史[]
シリーズ開始以前、アトラシアン・パラディンはシュニー・ダスト・カンパニーの協力のもとアトラスの科学者チームによって開発されていた。その中にはワッツも含まれており、後に「パラディン事件」と呼ばれるパラディンに関連する事件で彼は自身の死を偽装した。
ヴェイル王国[]
アトラシアン・パラディン-290は、"A Minor Hiccup"においてアイアンウッドが行ったヴェイルでの小規模なプレゼンテーションの中で、ホログラムの形で初めて披露された。この時アイアンウッドは、パラディンとアトラシアン・ナイト-200を軍事技術の次のステップであると説明し、パラディンは人の介在が必要となる強力な機械装置と表現している。
パラディンは、"Painting the Town..."で開催されたホワイト・ファング派閥集会で、今度は実機として登場した。しかし、それは現在トーチウィックが所有しており、彼は「少しばかり掠め取ることができた。奴等が売り出す前にね("managed to snag a few before they, uh, "hit the shelves".")」と述べている。そのプレゼンテーションを見ていたブレイク・ベラドンナとサン・ウーコンをトーチウィックが見つけ、捕まえようとしたが、施設の配電盤をブレイクが撃って2人は暗闇の中を逃亡した。
トーチウィックはパラディンの操縦席に飛び乗って集会場から出ると、ヴェイルの街中だというにもかかわらず、車や設備を破壊しながら2人を追った。その一方でトーチウィックの乗ったパラディンは、ヤン・シャオロンやネプチューン・ヴァシリアス、チームRWBYの他のメンバーに追跡された。最終的にワイス・シュニーがミルテンアスターで地面を凍らせ、パラディンを高速道路の高架から地上に滑り落とした。そこにはルビー・ローズが待ち構えており、チームRWBYの他のメンバーもすぐにルビーの側に降り立って、すべてのメンバーが集結した。
ワイスとヤンのフリーザーバーンで発生した霧によってパラディンのセンサーを攪乱され、ブレイクとワイスのチェックメイトによってロケットランチャーはすべて迎撃された。さらにブレイクとルビーのレディバグで次々に攻撃を仕掛けられると、パラディンの片腕はあっさりと切断された。その隙にヤンが背中に飛び乗り、エンバー・セリカのシェルショットを浴びせた。トーチウィックは静かに激高してパラディンでヤンを地面に叩きつけるが、センブランスを発動させたヤンにパラディンは残っていたもう片方の腕も粉々に殴り壊された。ルビーとワイスのアイス・フラワーによってパラディンの体の大部分が凍り付き、その動きが鈍くなったところへ、ブレイクとヤンのバンブルビーによってパラディンの顔がヤンに殴られ、その勢いままパラディンは完全に破壊されてしまった。しかしパラディンの安全性能が高かったためか、搭乗していたトーチウィックにダメージはなく、ニオポリタンの助けを借りて逃亡した。
"Mountain Glenn"において、早朝に目を覚ましたルビーが、地下にあったホワイト・ファングの基地で試作型のパラディンが貨物の積み込みに使用されているのを発見した。"No Brakes"では、貨物列車の中に複数のパラディンがおり、クライマックスではバーソロミュー・ウーブレックとツヴァイが連携して対抗する。最初のパラディンは、ウーブレック博士がツヴァイを炎のミサイルとして使用し、爆発を起こして列車から叩き落すことで倒された。ツヴァイがパラディンの落下を見ている最中、2体目のパラディンが接近してきたが、ウーブレック博士の放った火球を食らう。3体目のパラディンも、ルビーの援護を受けたウーブレック博士によって破壊された。3体のパラディンが破壊された後、さらに2体が現れ、ウーブレック博士とツヴァイに戦いを挑む。その後の"Breach"で、ウーブレック博士とツヴァイを乗せている、ダメージを負ったパラディンが地下鉄のトンネルから出てきた。他のパラディンは回収されたものと思われる。
"Lessons Learned"で、チームRWBYの戦ったパラディンが試作機であったことがワイスとウィンター・シュニーの会話で明らかにされた。また以前のパラディンが奇襲によって強奪されたため、パラディンを含むヴェイルへの追加部隊にはウィンターが同行し、監督した。
"Battle of Beacon"において、トーチウィックの盗んだアトラシアン・エアシップがコンピューターウイルスに感染し、アトラス軍のネットワークが支配された。このため、ネットワークにつながっていた、ビーコン・アカデミーとヴェイルに駐屯していた数体のパラディンが制御不能になった。ビーコン・アカデミーの中庭でアトラス兵を襲う姿が目撃されている。このパラディンは量産型と思われ、トーチウィックに奪われた試作型よりも完成度の高いカラーリングが施されていた。
"Heroes and Monsters"では、アミティ・コロシアムから脱出してきた様々なハンター・アカデミーの生徒たちが、ビーコン・アカデミーの中庭で跡らシラン・パラディンと戦った。パラディンはノーラ・ヴァルキリーとライ・レンの2人を倒すと、残りの生徒たちに襲いかかり始めた。生徒たちも反撃したがパラディンに対して攻撃が効かなかった。そのためココ・アデルがヴェルヴェット・スカーラティーナに、武器を使うように指示した。アネシドーラを解放したヴェルヴェットは、1人で2体のパラディンを相手取って1体は撃破できたが、2体目に不意を突かれて倒された。2体目のパラディンは、ワイスがグリフで召喚したアーマー・ガイガスの大剣を持った腕によって一刀両断された。
その直後、量産型のパラディンとは別系統のパラディンが現れ、残った生徒を攻撃しようとする。しかしウィルスに感染してネットワークを支配していた、トーチウィックの盗んだエアシップが墜落したため、敵対していたアトラシアン・ナイト-200などとともに新たなパラディンも壊れ、停止してしまう。
アトラス王国[]
アトラシアン・パラディンとアトラス兵は、浮遊島であるアトラスの主要かつ唯一の陸上防衛戦力として考えられていたようである。
"War"においてセイラムがアトラスへの侵攻を開始すると、アトラス軍の陣地に多数のアドバンスド・パラディンが配備され、街の防衛にあたる。アトラスの戦いでセイラムによってグリムの軍勢が島に解き放たれると、パラディンはアトラス兵やアトラス・アカデミーから徴兵された生徒たちとともにグリムと戦った。
戦争が終了した時点で、複数のパラディンが破壊されたことが推測される。またアトラス王国が滅亡すると、残っていたパラディンも壊れたと考えられる。
特徴と能力[]
アトラシアン・パラディンは強靭な装甲を誇り、攻撃に対して非常に強い耐性を持っていた。しかし、攻撃を繰り返し加えられることには耐えられず、より強力な攻撃を受けても破壊されてしまう。
加えてレーザーサイトが、コックピット下に1つ、コックピット上部の角に2つ、背面肩部に少なくとも2つ(左右各1つ)搭載されていた。これらは極めて素早い動きを感知するのには十分な精度を持っているようだったが、ピンポイントに感知する精度はそれほど高くなかった。
"Painting the Town..."では、目標を追跡する爆発性のロケット弾を発射できることがわかる。アトラシアン・パラディンのキャノンは、スパイダー・ドロイドと同様の射撃が可能である。
また、パラディンは主砲のダストキャノンの下に折り畳み式の腕があり、それを展開することで格闘戦が可能であった。そして高速道路を飛び越え、自動車を追い越すほどの機動力も併せ持っていた。
パイロットの操縦席もあるが、単独で移動・戦闘できるオートパイロット機能もあるようである。その仕様を利用して、シンダー・フォールからコンピューターウイルスを渡されていたトーチウィックはパラディンを支配できたと考えられる。
トリビア[]
- パラディンはもともと、現実のフランスやドイツにあった神聖ローマ帝国の初代皇帝シャルルマーニュの臣下として活躍した優れた戦士たちであった。しかし中世の詩人たちは、彼らをイスラムの戦士からキリスト教を守る騎士として描き、アーサー王伝説に登場する円卓の騎士になぞらえて、ローランの歌のようにパラディンの活躍を誇張したり、完全に捏造したりした。それ以来、この言葉は騎士道精神に基づいた英雄を意味するようになり、通常は騎士を指す。
- Dmitriev Vasiliyによって製作された試作型のアトラシアン・パラディンの3Dモデルが、Turbosquidで販売されている。
参考文献・脚注[]
- ↑ RWBY: Volume 2: Episode 4 "Painting the Town..". (11:57)
- ↑ RWBY: Amity Arena character bio