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現実の書籍についてはRWBY: Fairy Tales of Remnantを参照。
書籍を元にしたアニメーションシリーズについてはRWBY: Fairy Talesを参照。
What is your favorite fairy tale?
(君の一番好きなおとぎ話は何かな?)
オズピンピュラへの問いかけ)


おとぎ話(Fairy Tales)とは、レムナントの歴史の中で語り継がれてきた物語である。一般的には単なる神話や伝説とされているが、どれほどあり得ない話であろうとも、実際には何らかの根拠があると言われている。

よく知られているおとぎ話には、『二人の兄弟の物語("The Tale of the Two Brothers")』や『浅い海("The Shallow Sea")』、『塔の中の少女("The Girl in the Tower")』、『四季の物語("The Story of the Seasons")』[1]、そして『銀の眼の戦士("silver-eyed warriors")の物語』[2]などが存在している。これらの物語のうち少なくとも『浅い海』以外の4つは本編で語られおり、その実在も判明している。またそれらのおとぎ話は、レムナントにおいて大きな影響力を持っている。

RWBY本編[]

四季の物語[]

メイン記事:"The Story of the Seasons"

"Fall"において、オズピン学長から『四季の物語("The Story of the Seasons")』について尋ねられたピュラ・ニコスが、このおとぎ話について以下のように詳しく語っている。

『家から出ようとしない冷たい老人のもとに4人の姉妹が訪ねてきました。一人目は一人を好む老人の考えを理解し、彼に自分の心と向き合って深く考えることを勧めました。二人目はフルーツと花を持ってきて、彼の作物を世話し庭を再生させました。三人目は彼の心を温め、外に出て周りの世界を受け入れるよう説得しました。そして四人目の最後の姉妹は彼に、自分の持つものに目を向け感謝するように請いました。彼女達の好意に対するお返しとして、老人は乙女達にとてつもない力を授け、彼女達が世界中の人々を助けられるようにしました。彼女達はこれを快く受け取り、終生に渡ってその贈り物をレムナントの人々に分け与えることを約束しました。ウィンタースプリングサマー、そしてフォール四季の乙女達。』

最後にピュラは、この物語を自分の母親が好きものだと付け加えている。一方オズピンは、この物語が単純なおとぎ話ではないことを明らかにしている。またRWBY: World of Remnantの"The Four Maidens"においても、オズピンがこの物語について語っている。"Rest and Resolutions"において、最初の乙女となる四人の若い女性にオズピンが膨大な魔力を分け与えたと語っているが、どこまで事実に即して話しているかは不明である。

銀の眼の戦士の物語[]

メイン記事:銀の眼の戦士
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銀の眼の力を解放したルビー・ローズ

本当の題名は不明であるが、銀の眼にまつわる物語は、ハンター王国が存在するよりも古いものだといわれている。

レムナントでは、銀の眼は非常に珍しい特徴だといわれている。いまのところ知られている銀の眼を持つ主な人物は、ルビー・ローズサマー・ローズマリーア・カラヴェラの3人ぐらいである。この特徴を生まれ持った者は戦士としての人生を歩むことになると語られており、グリムはこの銀の眼の戦士たちを恐れていたといわれている。誇張かもしれないが、この戦士の一睨みでグリムは死ぬとも言われた。

荒唐無稽な話だと言われているが、この物語も『四人の乙女』と同様に真実である。"End of the Beginning"において、シンダー・フォールに殺されたピュラの死を目の当たりにしたルビーが泣き崩れながらピュラの名を叫ぶと、知らずルビーの銀の瞳から白くまばゆい輝きが放たれ、ビーコンタワーにいたシンダーとワイバーンを包み込んだ。このルビーの力の影響のよって、ワイバーンはタワーの頂上で凍りついたままとなり、シンダーは左目を失って一時はまともに話すこともできなくなった。ビーコン陥落の顛末をルビーにクロウ・ブランウェンが告げる際に、銀の眼の伝承について語った。"The Next Step"においてセイラムは、これはシンダーが秋の乙女の力を得たことによる弱点だと言っているが、その理由は説明されていない。

また銀の眼の力の全容など、詳細は不明なままである。

二人の兄弟の物語[]

メイン記事:兄弟神

『二人の兄弟の物語("The Tale of the Two Brothers")』は"A Much Needed Talk"で初めて語られた創造神話である。クロウによれば、かつて兄弟である二人の神々がいたらしい。は光や生命、創造の神であり、は闇と死、破壊の神であった。

昼間に兄がレムナントを水や植物、野生動物などの生命で満たす一方で、夜になると弟は兄の創造物を発見しては嫌悪感を抱き、レムナントから生命を取り除くために干ばつや火、飢饉を作り出した。しかし最後には必ず生命が戻ってきた。

そのため弟は、地上のすべての生命を完全に消し去るために、あらゆるものを破壊することだけを目的とする魂のない、悪夢のような、兄の創造物に似せたものを創り出した。それがグリムの創造物として知られるものである。最終的に兄が、これ以上争うことはやめて、一緒に何かを創ることで平和を作ろうと決意した。弟も知識と創造、破壊、選択の4つの資質を、光と闇のどちらかに使うことを選べる人類を創造することに同意した。

世界を通り抜けた少女[]

V9 OP Book Cover

The Girl Who Fell Through the World

『世界を通り抜けた少女("The Girl Who Fell Through the World")』は、"Witch"においてオスカー・パインとオズピンが話しているおとぎ話である。この場面で明らかにされたところによると、このおとぎ話は、レムナントを通り抜けて全く新しい世界にたどり着いた少女の物語である。そしてレムナントに帰ってきた少女は悲しみに暮れた。オズピンは「彼女はもはや同じ少女ではなかったのだ("She wasn't the same girl anymore.")」と語り、旅の果てに少女が変わってしまったことを暗示した。

RWBY: Roman Holidayにおいて、その少女がアリックスという名であることが明らかになった。

"Altercation at the Auspicious Auction"において、この物語で起こる出来事が、主にブレイク・ベラドンナによって語られている。ブレイクによると、アリックスはエヴァー・アフターに落ちてきて、狩人ネズミと出会い、ツタに捕まり、ジャバウォーカーと戦った。そして喋るアライグマのジンクシー商人にナイフを盗まれると、それを取り戻すためにアリックスは、ジンクシーの物々交換オークションに参加する羽目になり、ナイフの対価として一番悲しかった思い出と一番嬉しかった思い出を要求された。その後アリックスは、ボードゲームで赤のキングを倒し、キュリアス・キャットラステッド・ナイトに出会って、最終的にエヴァー・アフターの中心にある巨木に辿り着き、家へと帰ることができた。しかしその道中でアリックスは、住民たちの慣習を知らなかったことによって、ついには住民達と争い始めてしまう。

その後、アリックスがレムナントに戻った後にこの物語を書いたことが明らかになった。ただし彼女は、物語の中で、アフテランが役割を終えた後、あるいは役割を果たせなかった後に、どのようにアセンドしていくのかなど、彼女の旅路から特定の部分を省いている。加えて彼女は自身を残酷というより優しく世間知らずな人物として描いており、その特徴は、アリックスが物語から完全に除外した兄弟のルイスに起因している。

"The Parfait Predicament"において、物語に現れたラステッド・ナイトの正体がジョーン・アークであったことが明かになる。

"A Tale Involving a Tree"でキュリオス・キャットによって、この物語の著者がアリックスではなくルイスであることが明かされる。この物語において、アリックスはグレート・ツリーに辿り着いた後、残酷な行為を償うために エヴァー・アフターに残ることを選び、ルイスがレムナントに戻った。そしてルイスのレムナント帰還後に、アリックスはキュリオス・キャットに殺害された。ルイスは、アリックスへの追悼の意味を持たせるために、この物語を書く際にルイス自身の存在を省く一方で、アリックスの名前だけを使い、さらにアリックスの描写を本で描かれたように改変した。

"Of Solitude and Self"において、ブラックスミスが、ルイスこそがこの物語の真の作者であり、『世界を通り抜けた少女』はルイスが実際に起こっていたらと望んだ物語であることを明らかにしている。またブラックスミスは、アリックスが殺される前に、自身の行動について本当に後悔し、自らがもたらした事態を正そうとしてエヴァー・アフターに残ったことも確認している。

このおとぎ話は、ルイス・キャロルによる実在のおとぎ話『不思議の国のアリス(Alice in Wonderland)』とその続編『鏡の国のアリス(Through the Looking-Glass, and What Alice Found There)』を暗示している。

RWBY: Fairy Tales of Remnant[]

The Warrior in the Woods[]

メイン記事:"The Warrior in the Woods"
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The Warrior in the Woods

オスピンによれば、おとぎ話『The Warrior in the Woods(森の中の戦士)』は、表面的には子どもたちが一人で遠くまで迷い込んだり、他人に頼りすぎたりすることを戒める物語である。しかしこの物語は、どんな形であっても他人を助けようという気持ちを起こさせる物語でもある。

昔、森の中の緑豊かな密林の端に村があり、森に入らない限り、グリムの創造物から守られると言われていた。人々はその村で幸せに暮らしていたが、グリムを見たことがなかったため、密林に近づくにつれて徐々に無頓着になり無鉄砲になった。

ある日、とある少年はかくれんぼの最中に、誰も行ったことのないような深い森の奥に入ってみることにした。それまで暗闇を恐れたことのなかった少年は、森の中で初めてグリムの創造物に遭遇し、恐怖を知ったところを鉈鎌を持った少女に救われた。その少女は少年に「家に帰れ。私のことは見なかったと思え」と言い残し、森の中に消えていった。

1年後、少年は再びグリムに襲われ、再び女戦士に救われることになる。しかしこの時は少年も身を守るための短剣を携え、また彼女への贈り物である新しい服を持っていた。彼女はその贈り物を受け取ると、次に森の中に入ったときは自力で何とかするようにと警告して去っていった。

それからさらに1年が経ち、少年は戦闘に少し慣れた青年になっていた。彼は3匹のオウルのグリムに襲われる。しかし輝く白い光がオウルらを吹き飛ばし、少年は少女に再び助けられる。彼は、成長した少女と再会できることを期待して食料と予備の武器を持ってきていた。一緒に食事をしながら、彼女は自分の家族が昔、他の人間に奪われたことを語った。

翌年には村が拡大しため森は狭くなり、グリムとの距離が縮まっていた。少年は少女の小屋を見つけたがそこは空っぽで、女戦士の姿もなかった。少年は、初めて出逢った時に彼女の銀色の瞳に一目惚れしていたことに気づき、一緒にいなかったことを悔やんだ[3]

The Man Who Stared at the Sun[]

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The Man Who Stared at the Sun

『The Man Who Stared at the Sun(太陽を見つめた男)』はヴァキュオの民話である。ある男が、誰よりも自分の家族が良い作物を永遠に収穫できる代わりに、太陽とにらめっこの勝負をした。しかしその数ヶ月間、両者がにらめっこしていたため太陽は沈むことを拒んだ。最終的に男は視力を犠牲にし、さらにそのことを誤魔化し続けることで太陽に諦めさせて、勝負に勝った。

この物語は、RWBY: Before the Dawnにおいてフォックス・アリステアが叔父のコッパーから聞かされたものである。フォックスは「勝利には犠牲が伴う」という教訓だろうと考えたが、コッパーはたんに「太陽を見つめるな」と言い返している[4]

いろいろなバージョンが多い物語で中、この男は最初から目が見えなかったとされているものもある。しかしオズピンは、ヴァキュオ人の真っすぐな性格を物語る古典的な解釈を好んでいる[3]

The Shallow Sea[]

メイン記事:"The Shallow Sea"
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The Shallow Sea

『The Shallow Sea(浅い海)』はファウナスの創造神話であり、人や動物、さらに神話上の生物の姿へと気まぐれに変身する「動物の神」が登場する。この物語の中で動物の神は、メナジェリーという、人類を除いたすべての動物が生息する島に住んでいた。動物の神はその理由を知りたいと思いつつ、人類の適応能力に惹かれながらも、彼らを島に招き入れて島が大混乱に陥る可能性に危惧を抱いていた。

頑なであった神は人間に変身してレムナント中を巡り、人間より少しでも上の人々を探し出して現状に不満を抱いている者には「往け。浅い海を渡れ。そこがお前のいるべき場所だ("Leave. Sail to the Shallow Sea. It's where you're meant to be.")」と告げた。

動物の神は方舟を手配し、レムナント中を回ってそうした人々を乗せていった。そして浅い海を渡ってメナジェリーまで着くと、海に飛び込んで仲間になるよう呼びかけた。しかしその代償は、彼らが人間ではなくなることだった。信仰心のある者が水に飛び込むと、その姿はファウナスへと変化した。その出来事に恐怖を覚えた者たちは、人間が真の姿を「浅はかな仮装("shallow disguise")」で誤魔化していることやメナジェリーで自らの運命を選択できることをファウナスたちが信じるようになったことを受け入れることができなかった。動物の神は残った人間を洗い流し、ファウナスには自由を与えた。

オズピン学長は、『The Shallow Sea』は子供たちによく語られたものだと記している。世代から世代へと受け継がれてきたが、物語自体は人間にそれほど知られてはいない。ファウナスにとっては単なる物語ではなく彼らのアイデンティティの一部であるため、オズピンはこの物語のことをあまり批評したくないと主張している。しかし、大戦後にメナジェリーに移住したファウナスにとって神秘的な島という発想が悪印象であったため、それ以降、創世神話は世間から見向きもされなくなった。。しかしオズピンは、作為的な筋書きにもかかわらず、この神話には真実が含まれていると考えている[3]

The Hunter's Children[]

メイン記事:"The Hunter's Children"
Hunterchild

The Hunter's Children

『The Hunter's Children(狩人の子供たち)』は、ハンターという概念が生まれる前にあったミストラル地方の伝統的なおとぎ話である。グリムから村を守ることで知られる狩人が、長年の任務の末に帰らぬ人となった。狩人の死後、その子供たちは村の人々に父親同様、グリムから村を守ることを頼まれるが、子供たちはそれぞれ異なるものを求め、別々の道を歩む。

長女は請われた通りに村へ残り、実際に村を守り続けた。しかし父の死や日々襲撃してくるグリムに村が動揺したため、ますます多くのグリムがやってくるようになり、多くの村人が死んだり、新たな場所を求めて去ったりした。

長男は人助けをしたいと思い立って旅に出たが、ほとんどの村が破壊されていた。5番目に訪れた村を救うことに成功し、擁護者として賞賛されて滞在することを請われた。

次女は村近くの森でグリムとの戦い方を研究した。彼女は木々に隠れて安全にグリムを観察したが、見ているだけだったため有益な情報を得ることはできなかった。

次男は冒険に出ようとした。しかし村を離れて間もなく道に迷ってしまい、恐怖を抱いたことでグリムの襲撃を招いた。その狂乱の中で四兄弟が再会することになった。

グリムとの激しい戦いの後、四兄弟は互いに謝り合ってチームとして戦うことを決意する。彼らは新たな住処を守り、グリムからの避難民を迎え入れ、そして世界中の誰でも助けを求める人々を助けた。四兄弟の勇気や心、知恵、謙虚さに人々は感動した。

オズピンは、この話がハンター・アカデミーに似ているため好んでおり、またヴェイルの王がアカデミーを設立する際にこの話に触発されたことをほのめかしている[3]

The Indecisive King[]

メイン記事:"The Indecisive King"
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The Indecisive King

『The Indecisive King(優柔不断な王)』は、『The King, the Crown, and the Widow(王と王冠と寡婦)』とも呼ばれる、選択のレリックにまつわるおとぎ話である。

この物語では、賢い王が市民に助言を与える場合、市民はその言葉に従わなければならないという条件付きで、王は市民を援助していた。王はグリムの攻撃で家族を失った貧しい寡婦の謁見を受ける。どうしたらいいかと尋ねられた王は、寡婦に生き続けることだと助言する。そして王は、寡婦が望むだけ悲しむために城への滞在を許した。

数ヶ月後、王はある讃美者から魔法王冠を贈られる。その王冠を頭に乗せると、王はいつか迫られるであろう選択についての未来を垣間見る。しかしその選択の結果は決して良いものではなかった。優柔不断な王は民を助けるためにもがき、病的なまでに疑い深くなった。自分が下せない決断のことで家来を殺すと脅して、王は孤立してしまう。

心配した寡婦は王を訪ねるが、王は彼女のことを忘れていたため、衛兵に追い払わせようとした。しかし寡婦は王が自分の存在を認めてくれるように説得し、代わりに王に助言させてもらえないかと尋ねた。王は自分が見たことを話すと、寡婦は王がまだ解決できないあるいはずっと解決できないかもしれない、解決すべき問題を背負わされているとわかる。寡婦はかつて自分が王に言われた助言を繰り返し、「どうしていいかわからなくても生き続けなければならない」と王に告げる。その言葉に安心したのか、王は王冠を手放す。興味を持った寡婦が王冠を被ってみると、やがて王に求婚される光景が見えた。心の中で未来の求婚を受け入れると、寡婦は、王冠を封印して将来の重荷から解放されるべきだと王に告げる。そして王は寡婦が誰であるかを思い出し始めた。

昔々、あるところに賢い王様と、さらに賢い王妃がいました。

RWBY: Fairy Tales of Remnantでオズピンはこのおとぎ話のことを、善良な人に悪いことが起こるという訓話だと説明している。王冠は毒にも薬にもなりうるが、両者はしばしば同時に存在する。この物語の重要な教訓は、知識は人の力になり得るが多すぎても人を無力にさせてしまうということであり、中心的テーマは、どれほど悪いことが起きても生き続けることが重要だということである。

The Grimm Child[]

メイン記事:"The Grimm Child"
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The Grimm Child

『The Grimm Child(グリムの子ども)』は、憑依型グリムのチルを中心とした伝統的な怪奇童話である。

ポピーとオークの姉弟は、家の近くにいるようにという両親の願いにもかかわらず、森の外で遊んでいる。ポピーが弟をけしかけて森に入ると、顔を青白くし、黒い目で恐怖の表情を浮かべた弟を見つける。2人は恐怖に怯えながら急いで家に帰った。

その夜、ポピーが目を覚ますと両親は死んでいて、オークが行方不明になっていた。ポピーが親友の家に駆け込むと親友の両親も死んでおり、親友はいなかった。代わりに親友のベッドにオークがは倒れ込んでいて、彼の髪は肌と同じように白くなっており、その顔には赤い血管が縦横無尽に浮かんでいた。ポピーは逃げ回り、家々を渡り歩いたが死人しか見つからず、彼女はやがて自分のいる場所がゴーストタウンであることを知る。自宅に戻ったポピーが荷物を抱えて逃げようとした時に、彼女は自分のベッドの下に他人の死体があるのを見つけた。なにが起きたのか悟った彼女は鏡で自分の姿を見た。肌や髪は真っ白で、黒く大きな瞳には黒い血管が浮き出ており、青白い腕にも血管が浮き出ていた。彼女はもはやポピーではなく、死んでおり、化け物になっていた。

『The Grimm Child』は、レムナント中で小説や映画、漫画、ゲームなど、様々な作品に影響を与えている。またキャンプファイヤーや子供を寝かしつける際の定番の物語となり、言うことを聞かない子供を持つ親に好まれてもいる。実際にチルと呼ばれる憑依型のグリムが存在している。このグリムは、"The Chill"と呼ばれるパーティーゲームにも影響を与えた。このゲームでは、プレイヤーたちが自分たちの中にいるグリムを、手遅れになる前に発見しなければならない。この発想は、チルに憑依された人間とそうでない人間の区別がつかないことから来ている。

この物語には白い肌や髪、黒い目などの真実にはなかった情報があり、これは『The White Witch in the Woods』の影響を受けたものだとオズピンは強く指摘している[3]

The White Witch in the Woods[]

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セイラムの家

"The Lost Fable"において、闇の神に滅ぼされた人類が復活しオズマが初めて転生した後、彼は世界を回り、森の中に白い魔女がいるという話やおとぎ話を聞いた。白い魔女がセイラムかもしれないと直感したオズマは彼女の家を見つけ出し、2人は再会した。そして彼らは、自分たちの膨大な魔法の力を背景に神々として世界に君臨できると気づくまで、そこで暮らした。

その後この物語が、チルを題材にした怪奇童話『The Grimm Child』の発想の元として使われたとオズピンは考えたようである[3]

The Judgement of Faunus[]

メイン記事:"The Shallow Sea"
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The Judgement of Faunus

『The Judgement of Faunus(ファウナスの審判)』は、「動物の神」を主人公とするファウナス創世神話である。

この物語では、人間と動物が互いに妬み、憎しみ合って戦争を繰り広げていた。人間は、動物たちの能力とグリムから襲われないことに嫉妬していた。動物たちは、人類がダストを使ってグリムに抵抗していることに嫉妬していた。

動物の神は、枝分かれした角を持つ人型の男という中途半端な姿になって戦場へ赴き、そこで人間と動物に問いかけた。両者が互いの悪いところしか見ていないことに気づくと、神は自分が裁くことを彼らに提案した。両者は、神の姿や振る舞いなどから自分たちを味方してくれるだろうと考え、この提案を受け入れた。すると霧が発生した。その霧の中で、両者はファウナスへと姿を変え、自分たちが以前の姿よりも優れていることに気づいた。グリムを退けて故郷に戻ったが、人間からは除け者にされ、自活することになった。

オズピンは、『The Judgement of Faunus』が『The Shallow Sea』よりも苛酷で大人向けの物語であり、のちに小説や映画となった『The Thief and the Butcher(泥棒と肉屋)』へと引き継がれた子供向けの物語よりも重く、より考えさせられるものだと指摘している[3]

The Infinite Man[]

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The Infinite Man

『The Infinite Man(無限の男)』は、オズマがいくつもの転生を繰り返して世界を旅をするおとぎ話であり、オズピンが記録したものである。

昔、「無限の男」として知られる魔法使いが、グリムの創造物から人々を救うために、町から町へと孤独な旅を続けていた。ある時、男はグリムを倒した後に疲れ果てて気を失い、町の人に介抱されたことがあった。目が覚めると男はある少女から、魔法を使っているようだと指摘された。なぜなら、男の見せた力はダストのものより強力だったためである。男はしぶしぶ不死身であり、魔力を持つ存在であることを認めた。そして町からこっそり出ようとしたが、その際、男を信奉した者たちが何人も集ったことに彼は狼狽した。

その集団は危険な目に遭っている人たちを救助するようになるにつれて、その存在は急速に広まり、参加を希望する者たちはますます増えていった。男は狼狽えたが、その集団はオーラセンブランスを習得し、グリムより大きな脅威に備えるうちに、ザ・サークルと名乗りはじめた。ある時メンバーの一人がザ・サークルを裏切り、男が本当に不死身かどうかを調べるために、男に毒を盛って逃亡した。男は死の間際、ザ・サークル誕生のきっかけとなった少女に「私はただの人間だ。しかも("I am just a man. And not even ―")」と自身を否定する言葉を口にすると、少女は続けて「大した人間でもない("A very good man")」と言った。

ザ・サークルの者たちは4日4晩、男の死を悼んだ。やがて男は新しい体で戻ってきたが、少女はすでに中年の女性になっていた。ザ・サークルはさらに拡大しており、定住してザ・サークルという町を形成していた。そして人々を助け、新たな信奉者として連れ帰るために仲間を送り出し、その中から神を作るべく能力を鍛えていた。男はその女性に説得され、町に滞在することになった。しかしこれは間違いだった。

しばらくの間、ザ・サークルには平和が訪れたが、多くの人々が不死身の男の話を聞きつけ群がってきた。ついにはザ・サークルを襲う戦士の一団が攻め込んできた。ある女戦士が不死身の男に挑戦するために前に出て、様々な色のダストが充填できる1対の剣を振り回し、最終的に神と対峙したいと願った。男は彼女に、神は君が思っている以上に間違いやすいものだと言ったが、女戦士はお前には戦う以外に選択肢はないと男に訴えた。勝負は死を賭けており、男が勝てば『女戦士の身体("my body")』を一団が持ち帰り、女戦士が勝てば『男の身体("your body")』を持ち去ると女戦士は言った。激闘の最中、男は女戦士に、が男を殺すために女戦士を送り込んだのかと尋ねたが、女戦士は答えなかった。戦闘が長期化し、男は巻き添えで死傷した仲間を認識すると、自らの死を選ぶという過ちを犯した。("your body"の"your"はザ・サークル全員を指していたのかイタリック体であり、"my"と"your"の言葉の対比で女戦士が男を上手く騙したとも考えられる。他にも"you"の単複を、誤解が生まれるように使い分けている節が見られる)

数年後、再び生まれ変わった男は、ザ・サークルが滅ぼされ、虐殺されたことを知った。いまでは老女になったかつての少女だけが、左腕と右目を失いつつも生き残っていた。男がその理由を尋ねると、彼女は、彼女にとっては見覚えのない男に「一人の男にあらゆる願いを託し、頼り切ることの愚かさを世界に示すため」と答えた。男は、もし彼女に自分の正体を尋ねられたら、苦しくとも嘘をつくことはできないだろうと思った。しかし彼女が尋ねなかったため、彼はさらに傷ついた。彼女は立ち去ろうとし、彼は彼女をそのまま行かせた。

『無限の男』は、一人の人間に過度の信頼や力を注ぐことへの警告の物語として、しばしば指摘されている。しかしこの作品は様々な道徳を呈している。例えば自分よりも他人を優先するリスク、脆弱な指導者に従う危険性、非現実的な理想への慎重さである。この物語は曖昧であるため、誰にとっても、結局のところは非常に個人的な話なのである。

オズピンはこのことを、それほど否定的な視点で捉えてはいない。善か悪、あるいはその両方が混ざっていたとしても、信じる力が人々を、いかに行動に移させられるかということに関心を寄せている。「無限の男」への期待は善悪ともに高すぎたため、彼は神にはなり得ない。オズピンはそれがなぜだめなのか、「無限の男」が英雄や愚か者、時には悪役として描かれているが、なぜその全てではだめなのかを読者に問いかけ、その上で、人は誰もが間違えるし、しばしば善意が悪い結果につながるとも告げている。それでも真実が絶対的なものではないとして「無限の男」を許すべきかどうかは読者が判断すべきことであり、誰もが自身で選択することを委ねられるべきであるとしている。

The Two Brothers[]

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The Two Brothers

『The Two Brothers(二人の兄弟)』は、兄弟神にまつわるもうひとつのおとぎ話である。

太古の昔、1匹のドラゴンが自分と同じような存在を求めて宇宙を旅していた。しかし見つけることは叶わず、孤独に打ちひしがれたドラゴンは、自身でその存在を創造することにした。ドラゴンは全能であったが無から有を創り出すことはできなかったため、自身や自身の魔力を半分に分けることにした。創造するためにドラゴンは自身を破壊し、古の神は消え去った。その代わりに二人の兄弟が生まれた。一方は光のドラゴンであり、もう一方はそのである闇のドラゴンである。互いに性格は違ったが、二人が共にいる時だけは完全な存在であった。

兄である光の神と弟である闇の神は世界を創造することに決めた。闇の神は光の神の真似をし、光の神が太陽を創れば、闇の神は月を創り出した。光の神が大地を覆いつくす植物を生み出すと、闇の神は砂漠や岩山などを生み出した。そして光の神が動物が世界に満ちるように祝福すると、闇の神は兄弟の暗黒面を反映したグリムという創造物を生み出した。光の神が世界を美しくしようとする一方で、闇の神は世界を自分が楽しむための玩具と見なしており、思想の相違から兄弟は争い続けた。しかし最終的に兄が、これ以上争うのはやめて共に何かを創造することで平和を築くべきだと決心すると、弟も同意した。弟は創造物に、自身らが何者であるかを理解できるだけの知識を与え、それ故に人類が生と死を理解し、恐怖を覚えることになった。一方兄は、その知識を使ってどう生きるかを決められる自由意志の力を創造物に与えた。こうして人類が誕生した。

人類への祝福と試練は、光の神と闇の神がそれぞれもたらしたものであった。光の神が過保護で人類を過小評価する一方で、闇の神は人類の限界に興味を持ち、その機知に感嘆した。闇の神は、グリムによって徐々に人類が絶滅に追い込まれていることから、その限界がグリムであることに気づいた。グリムを世に広めたことで兄弟は対立し、最終的には秘密裏に行われていたグリムの生産を中止することで合意した。

それにもかかわらず闇の神は密かにグリムを増やし続け、その一方で光の神はその怪物から身を守れるような隠された力を人類に植え付けた。互いの力に気づいた兄弟は戦いを繰り広げ、世界を荒廃させ、人類を混乱に陥れた。しかし二人の兄弟は魔法を使って自分たちを分裂させたのと同じように、世界を創造する際に魔法を世界に与えた。闇の神は世界を焼き尽くし、魔法を取り戻そうと決めたが、光の神は弟に、自分たちの創造物の中で安息し、自分たちが不在の間に人類がどうなるかを見届け、そこで人類を裁くのだと告げた。もし人類が団結することを示せば、人類はそこで邪悪なものを破壊する方法を見つけるだろう。さもなければ人類は燃えるだろう。

兄弟は合意し、2匹のドラゴンは世界の片隅で新たな大陸に姿を変えた。そして目覚めて裁くその日まで、ドラゴンはその場でいまのところ今日まで眠り続けている。

二人の兄弟はほとんどすべての天地創造の物語にさまざまな形で登場するが、二人が人類の外の領域からやってきて、何もないところから共に宇宙を創造し、そして人類を置き去りにしていったという点に関してだけは一貫しているとオズピンは指摘しており、またそのことを信じるかどうかは別にして、私たちは自分たちの世界に対して責任を負っているという根源的なメッセージは真実であって、人類が共通の運命を共有していると彼は語っている。

The Story of the Seasons[]

メイン記事:"The Four Maidens"
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The Story of the Seasonsにおける四人の乙女

四季の物語(The Story of the Seasons)』は、『四人の乙女』とも呼ばれる有名なおとぎ話であり、魔法使いとも呼ばれる年老いた世捨て人のもとに、四人の姉妹がそれぞれ訪れ、それぞれの方法で親切にしてくれるという物語である。一人目の姉妹であるウィンターは、瞑想や熟考する姿を示すだけで彼にそれを促した。二人目の姉妹であるスプリングは、果物や花をもたらして彼の庭を華やかにした。三人目の姉妹であるサマーは、彼に家の扉を開かせ、外の世界へ出ることを意識させた。四人目の姉妹であるフォールは、自身の持っているものが感謝に値するものだということを彼に気づかせた。

老人は四姉妹になぜそんなに親切にしてくれたのかと尋ねると、四姉妹は「みんなに親切にしているだけ」と答えた。その言葉に心を動かされた老人は、四姉妹の好意のお返しとして彼女たちに大きな力を贈った。四姉妹は四季の化身としてレムナント中を旅し、その力で人々を生涯助け続けることと、贈り物のお礼として毎年一度、老人のもとを訪れることを約束する。

オズピンによれば、この伝説は単に子供たちに語られる物語とされているが、レムナントの歴史において実在した根拠があり、四人の乙女の起源を語っているとされている。彼女らは、人類史において何千年にもわたって継承されてきた強大な力を宿す存在である。かつては広く知られたことであったが、乙女たちと人類の安全のために秘匿され、いつしか伝説として曖昧なものになっていった。

The Girl in the Tower[]

メイン記事:"The Girl in the Tower"
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The Girl in the Tower

『The Girl in the Tower(塔の中の少女)』は、セイラムと彼女の出自が詳細に描かれているおとぎ話である。この物語はセイラム自身が書いたもので、セイラムへの同情を誘い、彼女に信奉者を集めるための密かな情報操作の役割を果たしている。

物語はセイラムの父親の生い立ちから始まり、かつての彼は富や名声、栄光、愛を追い求める善意の英雄だった。ある冒険の最中にセイラムの母親と出会い、彼女を略奪者の一味から救い出して、欲しかったものをすべて手に入れ、大きな王国の領主になった。セイラムの母親はすぐに妊娠したが、病気になってセイラムを出産した時に亡くなった。

娘まで失うことを恐れた父親は、セイラムを巨大な塔に閉じ込め、自分と彼女の乳母しか会えないようにした。妻を失ったことに耐え切れなかった父親は妄想症と物質主義に囚われるようになり、自らの財産に執着するようになって、セイラムを訪ねることも少なくなっていった。やがてセイラムは、塔を囲む魔法の壁が生物を遮るものでしかないことに気づく。

セイラムの16歳の誕生日に、彼女が塔に閉じ込められたのは、そこからの月の眺めを母が気に入っていたからだと父に告げられた。しかしセイラムにとって、塔は牢獄のようで嫌いなものだった。セイレムは、自分が思っているほど父が自分を愛していないことを悟り、今では暴君になってしまった父親の支配から逃れる計画を練った。セイラムは父に誕生日プレゼントとしてペンと紙を求めると、彼女はそれに、彼女を永遠に家に閉じ込めておきたいと願う怪物につかまっていることを書き連ね、その手紙を塔の窓から投げ飛ばした。塔の少女の噂が広まると、彼女を救おうとして多くの戦士が死んだが、ある日、伝説的な英雄であるオズマがセイラムの父親を殺し、王女であるセイラムを塔から救い出した。

『The Girl in the Tower』は特異な物語である。主人公である少女は本質的に、自らの身を危険から守るためにこの物語を書いており、数あるおとぎ話のひとつとして、この物語自体の立ち位置を意識している。このおとぎ話はメタフィクションとして、現実を創造して運命を形作る物語の力を示している。

オズピンは、あからさまであれ隠されているものであれ、あらゆるおとぎ話に目的があるとし、プロパガンダがどのように機能するかについて語っている。セイラムは自分の物語を人々に見せることで同情を誘い、彼女を助けに来るように仕向け、そして彼女のために多くの戦士が死ぬことを運命づけようとした。彼女の物語には真実がすべて含まれているわけではなく、また彼女が自分の話を広めたときに何を偽ったかについては曖昧である。オズピン学長にとってこのことは、皆が知っているおなじみの物語はもっと大きな物語のほんの一部に過ぎず、「むかしむかし」の前にも「めでたしめでたし」の後にも、物語が存在しているということを思い出させるものである。物語の始まりと終わりを決めるのは語り手であり、先まで十分に見通せば、ハッピーエンドの物語でさえ悲劇になるかもしれない。英雄が悪役になることすらあり得るが、オズピンはその逆もまた真であることを望んでいる。

The Gift of the Moon[]

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The Gift of the Moon

『The Gift of the Moon(月の贈り物)』は、レムナントのの起源に関する伝統的な物語である。

物語の中で、世界の原初の太陽は人類によって酷使され、日が短いことを嘆かれた。使い尽くされた太陽は大地に墜落し、砕け散った。そして再び空に戻った太陽は、かつての面影を失っていた。

そこで人々は新たに太陽を作ることにしたが、それは原初の太陽よりもさらに巨大なガラスの球体であった。人々はそれを天に掲げると、今では月になってしまった原初の太陽に対して、月が永遠に原初の太陽であることに変わりはなく、そして以前よりも永遠に美しいものであると保証した。

「You can't put the moon back together.(月を元に戻すことはできない)」というフレーズは、『The Gift of the Moon』に由来する有名な言葉である。その意味は「壊れたものは直せない」というものだが、元々は「直せないのならば、やり直せ」という意味であった。オズピンは、人々が問題であると同時に解決策でもあると考える一方、全能の光の神から与えられた天の贈り物を、協力することによって置き換えるという神の偉業同然のことを人の手で成し遂げたことに強い興味を抱いており、団結が世界をより明るくするということがこの物語の教訓だと考えている。

RWBY本編に関していえば、月は、"The Lost Fable"で闇の神によって砕かれたことが示されているため、『The Gift of the Moon』はあくまでおとぎ話であり、それほど重視されるものではない。

RWBY: Before the Dawn[]

The Boy Who Cried Grimm[]

RWBY: Before the Dawnにおいて、フォックスが叔父のコッパーから聞いたヴァキュオの民話として『The Boy Who Cried Grimm(グリムを叫んだ少年)』が登場する。内容は言及されていないが、フォックスはこの物語の教訓を「嘘をつくな」と捉えているが、コッパーは「迷惑をかけるな、さもなくば殺される」と捉えている[4]

DCコミックス[]

A City of Eternal Night[]

DC RWBY (Chapter 3) A City of Eternal Night

A City of Eternal Night

『A City of Eternal Night(永遠の夜の街)』は、DC RWBYで初めて耳にする古いファウナスの民話である。2巻ワイス・シュニーが初めて言及し、3巻でブレイクが詳細を語った。

ゴッサムは、孤独で孤児の王子が守る永遠の夜の街であった。この街には怪物がおり、王子がその頭をひとつ殺すと、代わりにふたつ生えてきた。王子がその怪物をどう服従させようとしても、怪物は以前にも増して恐ろしくなった。怪物は巨大になり、いつしか街は怪物の背中に存在するようになった。もし王子が怪物を殺せば、街は墜落してしまう。もし怪物が王子を食べてしまえば、怪物の成長は終わり、街の重さに耐えかねて萎れて、崩れてしまう。王子も怪物も互いを必要としていた。そしてもし両者がまだ死んでいないのなら、彼らは今日も幸せに暮らしているということである。

ブレイクによれば、この物語の結末は、ファウナス流の、伝統的なおとぎ話の終わり方だということである。

トリビア[]

  • RWBYの登場人物の多くは、現実世界の文化に由来するおとぎ話を暗示している。たとえばヤン・シャオロンは『3びきのくま("Goldilocks and the Three Bears")』の主人公をモチーフにしている。
  • RWBYに登場するおとぎ話は通常、将来に起こり得る出来事を予感させるものであるが、RWBY: Fairy Tales of Remnantの書籍やそれをアニメーションシリーズ化したRWBY: Fairy Talesは歴史的に正確な物語ではない[5]
    • 例えば『The Two Brothers』では、物語の最後に神々がドラゴンの形をした大陸となってレムナントに残っていることが書かれている。しかし"The Lost Fable"で語られたように、実際は人類を絶滅させた後、神々はレムナントを捨てている。
  • 『二人の兄弟の物語』は、Miles LunaRWBYの企画において初めて大きく貢献したものである[6]
  • 『The Boy Who Cried Grimm』は、実在のイソップ童話のひとつである『羊飼いと狼("The Boy Who Cried Wolf")』を暗示していると考えられる。
    • もともと『The Boy Who Cried Grimm』は、『The Grimm Child』から着想を得たものであった。しかしE. C. Myersがそれを変更したため、最終的に、少年がグリムになるいまの物語につながった[7]
  • いくつかのおとぎ話が、レムナントで実際に起こった出来事をモチーフにしたり、それに基づいたりしているように、『The Girl in the Tower』は、セイレムが幼少期を父親によって塔に幽閉されて過ごしたことを指している。
    • 『The Girl in the Tower』は、高い塔に閉じ込められた少女がヒーローに助けられるのを待つという、お決まりの物語をモチーフにしているかもしれない。またグリム兄弟が編纂して有名になったドイツの童話『ラプンツェル("Rapunzel")』も参考にしているかもしれない。
  • 『The Infinite Man』はビーコンの戦いとの類似性を描いており、オズマが対峙する名無しの女戦士は、オズピンの戦ったシンダー・フォールのように、二刀流の剣で戦う姿が描かれている。
    • 後にシンダーは左腕と左目を失うことになるが、この顛末も名無しの女戦士のものとよく似ている。
  • 『The Warrior in the Woods』の戦士の武器はビルフック(billhook)である。このビルフックという用語は、さまざまな種類の武器や道具を指すことがあるが、そのうちの2つがポールアーム(polearm)の一種とマチェテ(machete)の一種である。物語の本文で説明されているビルフックは、ポールアームのように長い柄を持つことが特徴ではあるが、挿絵やアニメ化された作品では、前方に湾曲した刃を持つ長いマチェテとして描かれている。日本で鉈鎌と呼ばれるものに類すると考えられる。
  • 『The Shallow Sea』と『The Judgement of Faunus』に登場する「動物の神」はその真偽が疑わしく、『The Shallow Sea』では太く捻じれた雄羊の角が生えた姿が描かれ、『The Judgement of Faunus』では枝分かれした雄鹿の角が生えた姿が描かれていることから、動物の神は変装した兄弟神である可能性がある[3]。またコサック・アルベインフェネック・アルベインが、ホワイト・ファングの隠れ家にフードをかぶったファウナスの姿絵を飾っているが、動物の神と何らかの関係があるのかもしれない。
  • 『The Indecisive King』の別名でもある『The King, the Crown, and the Widow』は、C.S.ルイスの『The Lion, the Witch and the Wardrobe(ライオンと魔女と衣装だんす)』のタイトルを暗示していると考えられる。
  • 『The Indecisive King』に登場する王冠は銀色であると説明されている。しかしRWBY: Fairy Tales of Remnantの挿絵では金色に赤い宝石があしらわれており、アニメ化されたFairy Talesでは青銅色にターコイズブルーの宝石があしらわれている。挿絵もアニメ版も、そのシルエットは"The Lost Fable"で描かれている選択のレリックと同じ形である。
  • 『The Shallow Sea』で動物の神が変身する動物のひとつとして、ロック鳥と呼ばれるものがある。これは『千夜一夜物語』に登場する、アブドル・ラフマーン・アル・マグリビーと船乗りシンドバッドが遭遇した同名の巨大な猛禽を暗示している。
  • 『The Judgement of Faunus』は、聖書に登場する『The Judgement of Solomon(ソロモンの審判)』を暗示している。同様に、この物語における動物の神の行動も、ギリシア神話の『パリスの審判』を暗示しているようである。
  • 『世界を通り抜けた少女』は、ルイス・キャロル原作の『不思議の国のアリス』と『鏡の国のアリス』をモチーフにしている。どちらの小説も、異世界に放り出されたことに気づいたアリスという名の少女を描いている。元の世界に帰還するまでの旅は、少女を根本から変えてしまった。

参考文献・脚注[]

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